緊張感×テンポの良さ=最高『バタフライ・ストレージ』

やっと2巻が出た!買った!面白かった!続きも楽しみ!
こんな楽しいことありますか?ないですよね。
今週はそんな作品です!

安堂維子里/徳間書店

『バタフライ・ストレージ』

人が死ぬと記憶や精神が蝶になり保管される世界の話。
その蝶を管理する機関に勤める主人公が、蝶を狙う敵対組織と戦ったり蝶の謎そのものに迫ろうとしたりします。

1巻で面白い気配はしておりましたが、つい最近出た2巻でその面白さに弾みがつきまくっております!
こういう作品を待ってた!こういう2巻がもっと見たい!
失速したり話が進まなかったり大人な事情が見え隠れする風呂敷の雑な畳み方がある作品が少なくない中、これは最高の2巻なのではないでしょうか。
ベースの謎は提示しつつ、そこを少しずつ明らかにしたと思えば新しい謎も出てきて、周囲のキャラクターもよくもまあこんなに俊敏かつ意味のある行動をするもんだなーと黙々と読んだらすぐ終わってしまいました。
ほどよい緊張感と、それを持続させる話運びの上手さにグッときます。

主人公は警察ではない特殊部隊のようなところの所属なんですけども、主人公含めそこの皆さんがマァ強いしまぁかっこいい!
よくありがちな、主人公が最初はヘタレだけど成長していって…のような過程もなく(もちろんそれはそれで面白いんだけど)、既にある程度スゴ腕なのでヤキモキもしないし、もちろん先輩たちや敵はその数段強かったりするのでいいハラハラが続きます。
戦闘の最中に変な精神論とか意味ありげな対話とかしないのもいいですね。プロとはかくあるべき。主人公のために組織があるのではなく、組織があって主人公がいる。現実では当たり前な大前提がこんなに素晴らしいとは!
キャラクターがきっちり立っているので、組織モノとしても面白いです。

面白いのでもっと話題になっていいと思うんですけどね。私が買った書店では1冊しか棚になかったです。新刊なのに。由々しき事態!山積みにしてください!
2巻で出てくる『蝶の大会議』と呼ばれるところなんて、アニメなり実写なりしたら壮観ですよ。見たいなあ。

ということで面白いので是非ご覧ください。
売れてほしい!そして面白いまま、作者さんが想定した通りに続いてほしい!


故人と対話できるって実現できても実現するのかなあ。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。