村上虹郎 #02『成長と共犯』

綾野剛さんとは初共演ですね。

そうですね。でも初めて綾野さんに会ったのは、仕事は全然関係ない食事会でした。僕はまだ未成年だったので隅っこで静かにジャスミン茶を飲んでいたんですけど、夜遅くなる前に帰ろうと挨拶に行ったんです。そしたらそこで3、4回ハグされました。僕のデビュー作『2つ目の窓』について、良さを語ってくださって…綾野さんは酔ってらっしゃいましたけど(笑)。

綾野さんに正面からぶつかってみた印象を教えてください。

内面はもちろんですけど、この(役の)ビジュアルを作ったことがすごいなと思います。身体つきが美しい上に、このワイルドさ。いつもはあんなに清潔感のある方なのに、野獣みたい。
融は制服を着てますからね。制服って清潔感の塊じゃないですか。融はその中にちょっと攻撃性がある、小さな怪獣みたいな感じ。野獣VS小さな怪獣ですね(笑)。
融からすると、綾野さん演じる矢田部研吾は得体の知れない恐ろしい存在でした。彼に関わる事で融は何かを知ろうとしたんだと思います。
僕個人としては、綾野剛さんといえばロングヘアだったので、今回久々に髪の長い綾野さんで、そこもグッときました。

融が謝ったあの心境はどういうものだったんですか。

彼があの場で言ったことは、僕には全然わかりませんでした。本来あそこには答えがないから。原作を読んでも、何故あそこで彼がああ言ったのか、その感覚がわからない。でもそれは、僕と融が違う人間だからじゃなくて、僕がそこまで辿り着けていないからなんじゃないかと。だからそこまで行きたかった。最終的には融を通して答えを見つけられた気がします。
僕自身、あのシーンはとても好きなシーンです。

その答えとは、具体的に言うと何でしょう?

聞かれると思った!(笑)
具体的には言えないというか…理由はないんですよ。あそこに辿り着いた人にしかわからない何か。融の成長でもあるし、融は研吾の共犯者でもある。
上手く言えないけど、あそこで腑に落ちたんです。言葉で表現するのは難しいです。

※次回は6月21日更新予定です。

©2017「武曲 MUKOKU」製作委員会
映画『武曲 MUKOKU』http://mukoku.com/
破滅か、救いか― 闘うことでしか生きられない男たち 激しく燃えさかる魂の対決!
海と緑の街、鎌倉。矢田部研吾は、幼い頃から剣道の達人だった父に鍛えられ、その世界で一目置かれる存在となった。ところが、父にまつわるある事件から、研吾は生きる気力を失い、どん底の日々を送っている。そんな中、研吾のもう一人の師匠である光邑が彼を立ち直らせようと、ラップのリリック作りに夢中な少年、羽田融を送り込む。彼こそが、本人も知らない恐るべき剣の才能の持ち主だった──

村上虹郎 プロフィール
1997年生まれ。映画『2つ目の窓』で主演を務め、俳優デビュー。この作品で第29回高松映画祭最優秀新人男優賞を受賞。
主な出演作に、ドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『仰げば尊し』、映画『忘れないと誓ったぼくがいた』『ディストラクション・ベイビーズ』、舞台『書を捨てよ町へ出よう』『シブヤから遠く離れて』など。
今後の活動としては、『二度めの夏、二度と会えない君』(17’秋公開)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17’9月公開予定)、『Amy said』(17’9月公開予定)の公開が控える。
現在出演CM「LIFULLスタート 『母から息子へ』篇」がO.A中。

撮影:大村祐里子