表参道という街への思い入れは結構強い。
アシスタント時代の3年間、
初めての一人暮らしをしたのが
何を隠そう表参道だった。
表参道に住んでいるというとみんな一様に驚いた。確かに、246沿いで表参道の交差点から徒歩5分という、奇跡の立地。
しかし、今思うとよく住んでたなーと思うような内容だった。
だって、お風呂もトイレも、共同でしたから。
冬場ともなると風呂場は極寒で、気合を入れないと入れなかった。
言わずもがな、部屋だって古く狭かった。
衣装に陣取られて、小さなソファの上で丸まって眠ることもあった。
でも住む場所って重要で、
私にとって表参道で過ごした下積時代は、かなり意味のあることだったと思う。
ラグジュアリーブランドの路面店が立ち並び、こだわり抜かれたセレクトショップや話題のお店、人気のレストラン、そして街を颯爽と歩くファッショニスタたち。
指をくわえるばかりだったけど、それらを横目に自転車を漕いで汗だくになりながら仕事をし、必ず来ると信じた「いつか」を想像することは、とても有意義なことだった。
独立して間もなくその住まいは契約終了で引っ越したけど、未だに表参道と聞くと私のホームタウンのような心持ちになる。
相変わらず達成されていない「いつか」と、無限にうまれる新たなそれに想いを馳せながら、
私は今日も表参道を歩く。
もっと見る>>