あらすじ:虚弱恐竜アーロと野生少年スポットがワイルドな原始の世界で大冒険。
☆☆☆(星3つ)
ピクサーが前作からわずか5か月のインターバルで放つ新作。
個人的には前作の「インサイド・ヘッド」がなんだか説教くさい内容でイマイチ盛り上がれず、さらには(これはピクサーのせいじゃないと思うけど)上映前に映画と全く関係ない家族やカップルのスライドショーを延々と見せられる始末…よその子どもの写真を大画面で見せられるために1800円払ってるんじゃないぞ!だいたいどいつもこいつもちっとも××××××んだ、カップルは××××だし、音楽は××だし…
…おっと!すいません。つい言いすぎました。ただの独身者の戯言なので気にしないでください。
えっとなんでしたっけ…あぁ「アーロと少年」ね。はいはい。大丈夫もちろんわかってますよ。
人間の感情がテーマという変化球作だった「インサイド・ヘッド」に比べて、この「アーロと少年」はといえばあまりややこしいところのないファミリー向け王道ピクサー映画に仕上がっていて、32歳男性もバッチリ楽しめる内容だった。なにせ主役が恐竜ですからね。これだよ、これ。こういうのを待ってたんだよ、ピクサーさん。
「もしも恐竜が絶滅しなかったら…」ということで隕石が華麗に地球をスルーしていく映像でつかみはバッチリ。進化を遂げた恐竜たちのイマジネーションあふれる生活の描写や実写と見紛う背景の映像にはさすがピクサーの気合を感じた。
ただ皮肉なことに本気を出しすぎるあまり、原始の世界の素晴らしさ以上に恐ろしさが前面に出てくることになってしまった部分もある。
巨大な昆虫がひっくり反ってファミリー向け映画にあるまじきリアルな”裏側”が顕わになったときなんか、ボクの前に座ってた未就学児は恐怖のあまり絶叫していたし、それ以降もちょこちょこ出てくるショッキングな描写に子どもらは終始おびえていた。
スタッフの人たちがうっかり趣味を全開にしちゃったのかもしれない。
でも親御さんがどう思うかはさておき、洋画劇場全盛期の90年代にテレビで垂れ流される映画のショッキング映像を数多く体験してきた世代としてはたまにはそういう刺激があってもいいんじゃないかと思わないでもない。恐竜と少年が毒キノコを食べてトリップするシーンなんかわりといい感じのトラウマとして記憶に残るんじゃないか。
一流の娯楽にひと匙の狂気を添えて。ぜひご家族でご賞味ください。
☆☆☆…「モンスターズ・ユニバーシティ」「インサイド・ヘッド」と志の高さと表面的なおもしろさがイマイチ比例しない作品が続いたピクサーに復調の兆し。
原始の世界を観てたらワイルドな肉が食べたくなったのでローストビーフを塊で食べてしまったけど、よく考えたら主人公のアーロ(アパトサウルス)は草食だった。まぁいいや。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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