あらすじ:バットマンがスーパーマンにまさかのマジギレ!
☆☆(星2つ)
ヒーロー飽和状態のアメコミ界においてダントツの知名度を誇る2大ビッグネームの対決、しかも全世界同時公開ということで劇場は超満員。
若いカップルの女の子のほうが「え?なに?これ結局どっちが悪いの?」とか男の子に聞いてたりしてね。いいですね。
「スパイダーマンは出るの?」とかね。出ないよ。
“超人”スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)の恐るべき力に危機感を抱いた”一般人”バットマン(ベン・アフレック)が意を決して立ち向かう、という話なんだけど、悲しいかなとにかく二人にドンパチさせることを目的に話を作ってるので、そしてそもそも二人の住む世界が全然違うので、情報の整理に時間を取られた結果、なにもかもがドタバタで唐突な構造の歪さは否めない。
テイストがガチガチに重厚なぶん「楽しければいいじゃん」みたいなノリに振り切れないのもつらい。
前作「マン・オブ・スティール」に引き続きこのスーパーマンは身体も硬ければ話も硬い。
またそれに対するバットマンがスーパーマン以上にガチガチの狂った正義おじさんに成り果ているのも問題だ。大義のためなら何をやってもいいと思ってるタイプに仕上がっててタチが悪い。
こんな理解不能な二人が争っているのを見せられても一般人としては「どっちもあてにならねぇ…」と頭を抱えるしかない。
今回の悪役であるレックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)なんか劇中では相当悪いことをしてるはずなんだけど、なにしろ処理する情報が多すぎて「レックス?あぁ今それどころじゃないから!」となんとなく後回しになってしまう。
さらにそこにもう一人の超人、ワンダーウーマン(ガル・ガドット)まで乱入してくる。オーケーみんなちょっと一回落ち着こう。ワンダーウーマンは最高だけど、一回落ち着こうぜ。
というように映画的には実に散漫な内容だと思うんだけど、でもおもしろいかおもしろくないかと言われれば(完全な力技ではあるものの)確実におもしろい。なにしろ「バットマンvsスーパーマン」ですからね。そんなの当然じゃないですか。
そんな世紀の対決の決まり手がまさか「便器を思いっきり頭に叩きつける」だとは思わなかったけど…。
上映時間が150分以上あるので例によって途中でちょっと寝ちゃってもまぁ大丈夫です。肝心なところを夢オチで済ませてくるような製作者には我々観客も寝落ちで対抗するしかない。しかも夢オチ2回もあるんですよ、冗談じゃないですよホントに。
☆☆…「真剣にやってるのに滑稽」というのは心に残る映画の条件だったりします。最高に金のかかった二つ星映画をありがとう、DCコミックス。
劇中で真珠のネックレスが弾けるシーンが印象的に使われていてそれが、その、このポテサラに散りばめられたとびっこにね、ちょっと似てるかな〜みたいな、ね。そういうアレです。なんかすいません。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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