【悲報】パトカー盗んだらケヴィン・ベーコンのだったwww『コップ・カー』

あらすじ:表題の通りです。

☆☆(星2つ)

ハリウッド俳優210万人のうち、「ケヴィン・ベーコンと共演したことのある俳優」および「その俳優と共演したことのある俳優」を合わせるとその数なんと130万人にも上るといわれている。
この有名な「ベーコン指数」を例に挙げるまでもなく、ケヴィン・ベーコンは不思議な俳優だ。
一般的に「代表作は?」と聞かれてもパッと思いつかない(いろいろあって絞れない)けど、頭の中には「激流」でイカダの上で暴れるベーコン、「インビジブル」で透明人間になってはしゃぎ回るベーコン、「スリーパーズ」で子ども相手に暴力をふるいまくるベーコン…と数々の名場面が浮かんでくる。
そんな記録よりも記憶に残る男、ケヴィン・ベーコンが今度は悪徳警官になって帰ってきたぞ!

絶賛家出中のトラヴィス(ジェームズ・フリードソン・ジャクソン)とハリソン(ヘイズ・ウェルフォード)は森の中で放置されたパトカーを発見し、最初はビビりながら様子を見ていたものの、気づけばパトカーで荒野を爆走してサイレンは鳴らすわ無線でしゃべるわとやりたい放題をかます。
この狂った果実的なくだりがまずすごくよかった。自分の子ども時代、空き家に忍び込んで遊んでいたあの夏を思い出して思わず目頭が熱くなりつつ、雄大なアメリカの風景も相まって妙に郷愁を誘う。
最初は「パトカーなんか盗むバカはいないだろ」と思ってたけど、誰もいない野っ原をサイレンを鳴らして暴走するのは正直めちゃくちゃ楽しそう。

でも君たちそれケヴィン・ベーコンの車なんだ。

なにやら悪事を働くために一人パトカーで森にやって来たベーコンが車を離れてコソコソやってる間に、運悪くクソガキたちがその車を発見してしまったわけですね。こいつぁ大変だぜ。
パトカーを失い、自らの悪事が露呈するのをなんとか阻止しようと奔走する涙ぐましいベーコンと、狂い咲きの青春を謳歌するクソガキたち。そして事件は意外な展開に…。

「冷酷非常な警官が悪ガキをひたすら追い詰めるスリラー」かと思いきや、すごく人間臭いドタバタ劇で予想を裏切られた。ランニング姿で荒野を疾走するベーコンをはじめ、「そこそんなに尺いる?」というシーンがやたら多いけど、この不条理な空気がこの映画の魅力であり、ひいてはその不条理を支配してしまうベーコンの魅力でもある。

物語の(どうでもよさそうな)細部を執拗に描きながら、その一方で肝心の部分がボカされているので、「得体の知れないワル」と「滑稽な田舎のオッサン」という2種類のベーコンが一気に楽しめる。ベーコナー(ベーコン愛好者の通称)にはたまらない、一粒で二度美味しい一本。

☆☆…すごくおもしろかったけど、映画のB級魂に敬意を表して星は2つです。極上の2つ星映画。それにしても今回は「ベーコン」を連呼しすぎてるな。


一粒で二度美味しいといえば世田谷の名店「宮川」の二色うな重。うなぎの塩焼きとタレ焼きが一度に楽しめる最高の一品。(今回ベーコン串とかの写真にしなかった自分をほめてあげたい)

おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk