あらすじ:頼むからみんな仲良くしてくれ
☆☆☆☆☆(星5つ)
ついこないだバットマンとスーパーマンがドンパチやらかしてると思ったら、今度はキャプテン・アメリカとアイアンマンが…。
地球を狙う凶悪な宇宙人とか世界征服を目論む悪の組織からしたら厄介な連中が勝手に潰し合ってくれてもう笑いが止まらないと思うけど、でも物事はそんなにうまくすすまない。
せっかくいがみ合っていたバットマンとスーパーマンがより強力な敵の登場でうっかり団結した結果、悪人はボッコボコにやられて刑務所に入れられてしまった。どうしてこんなことになってしまったんだ。
「ヒーロー同士の対立→そこに現れる本当の悪→夢のヒーロータッグ爆誕!」という新しい黄金パターンの前に悪人の肩身はますます狭くなる……かと思いきやこれまたそうもうまくいかない、というのが今回の肝です。いやーおもしろかった。
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で一般市民を巻き込んで暴れ回ったアベンジャーズに世界中がドン引き、今後は国連の許可のないヒーロー活動を禁止しようという世論に同調するアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)とそれに猛反発するキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は気まずい仲に…。それぞれの信念に従って世界を守ろうとするあまり、ヒーローたちはスターク陣営とキャプテン陣営に分かれてしまう。そして重苦しい空気と新たな脅威が世界を覆い始める…。
と、ここで必要以上にダークな雰囲気にならないのが今作の魅力だ。
確かに状況は泥沼化しているし、ヒーローたちの関係は悪化の一途を辿ってはいるけど(相変わらず死人もガンガン出る)、新入りのアントマン、スパイダーマンを始め、いい感じで力の抜けた連中が随所で空気を調整してくれるし、「ウインター・ソルジャー」で殺戮マシーンとして暴れ回ったバッキーがいつのまにかなんとなくアベンジャーズになじんでるのも和む。
こうなれば我々観客としても正義と友情のためにひたすら突っ走る(暴走する)キャプテンを穏やかに眺める余裕も生まれるってものだ。
大丈夫、全然ひいてません。
これまでのマーベル映画を観てない者を容赦なく置いてけぼりにしつつ、次々に現れる超人たちの活躍で強制的に観客を楽しませる力技と、ヒーロー映画の枠を新たに拡張させる練られた脚本のハイレベルな融合。
マーベルが丁寧に作ってきたシネマティックユニヴァースの底の深さが存分に発揮された渾身の一作。
☆☆☆☆☆…現時点の「アベンジャーズ」関連作ではベスト。単体のおもしろさも抜群だし、今後の展開にも期待させる”繋ぎ”の仕事としても素晴らしい。
ゴールデンウィークに行った仙台で食べた牛タンも完全にネクストレベルでした。牛タンvsカルビのシビル・ウォーが起こったらボクは牛タン側につきます。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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