☆☆(星2つ)
「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」からの続編ということで、いろいろあってスーパーマン不在となった世界は悪から平和を守る人材の不足に悩まされていた。そこで政府が思いついたのが「今まで苦労して捕まえた極悪人たちを飼いならして悪と戦わせよう!」という雑な作戦。コンセプトは「Bad(悪)がEvil(邪悪)に立ち向かう!」だそうです。
「バットマンvsスーパーマン」との関連がきちんと周知されてないせいで熱心なアメコミ(映画)ファン以外はイマイチピンときてないと思うけど、まぁここまでは分からなくもない。
その「バットマンvsスーパーマン」でさえ、説明不要なスーパースター同士の華々しい戦いになるはずが、ふたりがぶつかる背景がイマイチぼやけてたせいで、結果的に観客を完全に置いてけぼりにした「頑固な狂人同士の喧嘩」になり果ててしまったというのに、今作はマイナーなヴィランどもが主役ということでそのへんの交通整理がさらに面倒なことになっててまいった。
観客の「誰やねん!」を払拭すべく設けられた冒頭の人物紹介では、予告編でも話題になっていたジョーカー(ジャレッド・レト)とそのナオン、ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、ウィル・スミスが演じるデッドショットあたりまでは丁寧に紹介してもらえたものの、残りの5、6人になると尺の都合なのか急に仕事がテキトーになってしまうのもいただけない。
やるならちゃんとやれ!面倒くさくなるなら最初からやるな!
だいたい現代に甦った古代の神だかなんだかにブーメランだのバットだのしか持ってないうえに大した能力があるわけでもないチンピラをぶつけようってのがそもそも間違いなんだ。
でもそんな(約1名を除いて)大した能力を持ってるわけでもない連中の寄せ集め、というのが結果的に、ガチ超人だらけの「アベンジャーズ」にはない趣きをもたらした部分はある。「退くも地獄、進むも地獄」的状況でこそ光る男気というかね。
ていうかこの人たち、社会からこぼれ落ちてはいるけど、そんな極悪人じゃないんですよ。このへんの哀愁漂うテイストはそんなに嫌いじゃない。それが映画のテイストを完全にクレイジーな方向には振りきれなかったDCコミックスの限界であり、一分の隙も無いマーベルのプロフェッショナルな脚本にはない星2つ映画の魅力でもある。
よし、限界まで擁護したぞ!ワーナーブラザーズ映画さんはお礼のハーレイ・クインTシャツ待ってます!お願いします!
☆☆…DCコミックス、次の映画は「ワンダーウーマン」だそうだけど、今からでも「ジョーカー&ハーレイ・クイン」に変更したほうがいいんじゃないかな…。
仙台の名店「にいがたや」でいただいた宮城の日本酒「萩の鶴」。猫の絵がかわいい。映画とは(以下略)
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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