☆☆☆☆(星4つ)
「ハリー・ポッター」ユニバース待望の新作はシリーズの原作者J.K.ローリングが初めて映画のために脚本を書き下ろしたスピンオフ作品。
「ハリー・ポッター」の舞台である魔法学校ホグワーツで使われている教科書「幻の動物とその生息地」のアイデアを基に、映画だけの新しい世界が展開されることになった。しかも作者は「5部作になるわ」とか言ってるけど(マジかよ)、本当に大丈夫なのかローリング!
舞台はハリー・ポッターが活躍する時代から70年以上前の1920年代。魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)はとある目的のためにアメリカを訪れる。
しかしアメリカでは彼が魔法を学んだホグワーツのあるイギリス以上に魔法使いとノー・マジ(非魔法使い)の対立が深刻化しており、実にキナ臭い雰囲気が漂っていた。
そんなピリピリした空気の中、ニュートくんが世界中で集めてきた魔法動物をうっかり街中にバラまいてしまったからさぁ大変!
魔法使いと人間の対立、それを煽るメディア王、そして対立を分断に導こうとする過激な組織…と、アメリカの世相をそのまま映した構図は最近の映画的トレンドなのかよく見かけるので個人的には「またかよ」と思うけど、今作の魅力はそんなことよりやっぱりビーストたちですよ。
ローリングのファンタ力(ぢから ※今思いついた単語です)から繰り出されるイマジネーションあふれる動物たちはまさにファンタスティック。
ニュートくんの熱心な解説もあって図書館で図鑑を読みふけった子供時代を思い出してしまう楽しさで、そのへんはさすが教科書を基にしてる設定なだけある。
見るからに人付き合いの苦手そうなニュートくんを始め、地味~なヒロイン(キャサリン・ウォーターストン)とそのふんわりした妹、そのへんのパン屋のおじさん、そしてコミュ障の権化のような不穏な青年(エズラ・ミラー)と、これほどの大作映画なのに圧倒的に偏った面子もいい。
なんだかんだでバランスの取れてた「ハリポタ」3人組と比べるとえらい差だけど、頼りなくて冴えないやつらがピカッと輝くところにホグワーツ魂を感じてグッとくるんだな、これが。
陰鬱な展開オンパレードな「ハリポタ」終盤の映画化で名を挙げたデヴィッド・イェーツが監督しただけあって今回もバッチリ死人が出るけど、子供を甘やかさない姿勢に好感が持てる社会派ファンタジーをぜひご家族でお楽しみください。
☆☆☆☆…このままゆかいな動物たちが続々出てきて楽しませてほしいけど、ダークな展開になるんだろうな…。
「猫島」として知られる宮城県の田代島で出会ったファンタスティック・ビーストたち。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk