意外なまでの善戦!海賊たちの帰還『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

☆☆☆(星3つ)

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズといえば前作「~生命の泉」がまぁひどい有様ですっかり情熱も冷め果ててしまったものの、三部作公開時に買った海賊キーホルダーを未だにぶらさげてる身としては新作が出ればなんだかんだで無視はできない。
…と思ったら、あれ?誰も観てなくない?
もちろん興行成績は相変わらずそれなりの結果を出してるみたいだけど、少なくともボクが各種SNSで観測できる範囲では様々なタイプの映画ファンからことごとく無視されていて、「もうみんな海賊騒ぎから卒業しちゃったのかな…」とさみしい気持ちを覚えつつ劇場に向かった。
はっきり言ってボクだって全然期待とかはしてないけど、それでも最後まで付き合うのがファンってもんだろ。

本来ならここで魅力的なあらすじをビシッと紹介して少しでも読者のみなさんを振り向かせたいところだけど、毎度のことながらめんどうな話で書く気も起きやしない。
三部作の時から「正直誰が何やってんのかよくわかんないけど、楽しいからいっか」と思いながら観てたし、とりあえずウィル・ターナーの息子さん、天文学者のお嬢さんがジャック・スパロウと一緒に超レアな「ポセイドンの槍」を探しに出るって話です。あとは流れでだいたい分かりますよね。

前作の監督ロブ・マーシャルはミュージカルが得意分野で明らかに人選ミスだったと思うけど、今回のエスペン・サンドベリとヨアヒム・ローニングのノルウェー人コンビは自国で海洋アドベンチャー大作「コン・ティキ」をめちゃくちゃに大ヒットさせているので海賊ものを扱うのに適した人材と言える。
「コン・ティキ号の大冒険を成功させたからブラックパール号もなんとかしてくれるだろ」という安直な発想がうっすら見えるような人選だけど、結果的にはこの2人の手腕でシリーズはなんとか息を吹き返した感がある。

回を追うごとに活躍が減っていき、今回はもはや何もしてないジャック・スパロウの代わりに張り切って活躍する新入りの若き2人を軸に、その脇をシリーズ皆勤賞のバルボッサの叔父貴と、ハビエル・バルデムが完全にやり過ぎた演技で演じる最強の敵サラザールがバッチリ固める。
これまでのシリーズを包括するストーリー展開もややこしいながら最後はきれいにまとまっていて、あれ、これけっこうよかったんじゃないですか。ハードルが下がりきっていたとはいえ満足度はかなり高かった。
みんなも観に行ってあげてくれよな。超かっこいいゾンビザメも出るよ!

☆☆☆…でもサメ+ゾンビのアイデアは残念ながら「ゾンビシャーク:感染鮫」に先を越されているので星は3つです。


おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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