【あらすじ】
舞台は1977年のロンドン。陰気なパンク少年のエンは仲間と街をさまよううちに奇妙なパーティーに迷い込み、そこで不思議な女の子ゼンと出会う。
音楽やファッションの話でいいイキフンになるも、彼女の正体は遠い惑星から来た旅する宇宙人だった。48時間後には旅立ってしまうザンを連れてエンはパンクな逃避行に繰り出す…!
「ネオン・デーモン」「夜を生きる」「20センチュリー・ウーマン」に続く、今年4本目のエル・ファニングちゃん出演作。いやはや勢いがすごいですね。
全く方向性は違えどどれもしっかり印象に残る力作ばかりだけど、個人的には今作が一番好きだった。
初めは挙動不審だったゼンちゃんが恋にパンクに染まっていく瑞々しさと、わけのわからない歌を絶叫するクレイジーさ、その両方を宿らせたら宇宙広しと言えど今のところエル・ファニングちゃんの右に出る者はいない。
最近は衣装がどんどんセクシーになったり、ベロを出して中指を立てている写真をよく見かけるのでおじさんは心配していたけど、そういうのもしっかり芸の肥やしにしていたんだなぁ。安心したぞ!
小汚い70年代のロンドンに映える宇宙人のカラフルな衣装、ガンガンうるさいパンク音楽と摩訶不思議な宇宙音楽を背景にした「パンクボーイと宇宙人ガールの青春ラブストーリー!」というだけで十分に成立するはずなのに、気づけば「子どもを生きたまま食べる」とかのよくわからない展開で観客を突き放してくるところも好感が持てる。みんなの嫌がることをすすんでやってこそパンクだ。
「この宇宙のくだりいるか?」と呆れさせつつも、最後はしっかりホロッとさせる塩梅も見事。めちゃくちゃやってるだけじゃないんです。
「ラ・ラ・ランド」をはじめ「ボーイ・ミーツ・ガールな音楽もの」が豊作だった今年を締めくくる、ストレンジでゆかいな一本。
結局パーティーで女の子に話しかける方法は全然学べなかったけど。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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