【あらすじ】
"暗黒の地"ペルーからロンドンにやってきたくまのパディントンは今やすっかり街になじみ、家族のブラウン一家をはじめ近所の人々に愛されて幸せに暮らしていた。
しかしペルーの老クマホームで余生を過ごすルーシーおばさんのためにせっせと労働に励むパディントンに落ち目の俳優ヒュー・グラント…じゃなくてブキャナン氏の魔の手が迫る…!
前作で大地震の被災者→ペルーからの難民→路上生活者…と人生の辛酸を舐めつくしたパディントンだけど、今回は冒頭からロンドン生活をエンジョイしていて安心した。
家族は暖かく、近所の人々は朗らか、おまけに野良犬の友達(子分?)もでき…そんな誰もがうらやむ生活を手に入れたパディントン。
しかしルーシーおばさんの誕生日プレゼントにうっかり曰くつきの絵本を選んだせいで事件に巻き込まれ、あれよあれよという間に刑務所にブチ込まれてしまうのだった。
予告で刑務所でバタバタしてる場面がチラッと映ってたので、まぁスパイス的にそういう展開があるのは知っていたけど、これがわりとがっつり服役していて涙を誘う。
全体の1/3くらいは刑務所のシーンだった気がする。
さらにルーシーおばさんの家に来た経緯が「河を漂流していたところを助けられた」という悲惨な生い立ちだったことも判明したりして、やっぱりパディントンはこうでなくちゃいけない。
フワフワで愛らしいだけのキャラクターなら、気難しいイギリス人の間でこんなに長いこと人気を博していないにちがいない。
移り変わりの激しい業界で何十年もトップを張ってきた凄みを感じるエピソードだ。
そんな魅力的なパディントンを中心に、今回もブラウン一家ひとりひとりの持ち味を活かして盛り上げる抜かりなさが輝き、俳優ヒュー・グラント自体をコケにしたような悪役ブキャナン氏という毒の効いた鋭さが光る。
その隙間を機関銃のようなギャグで埋め尽くした愉快な一作。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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