【あらすじ】
獣医学校に優秀な成績で入学したジャスティンは厳格なベジタリアンだったが、そこは夜中に叩き起こされて乱痴気騒ぎに巻き込まれるわ、新入生は血と臓物をぶっかけるわ、ウサギの内臓を生で食べさせられるわのとんでもないしきたりが蔓延するハードコアスクールだった。
抵抗むなしく内臓を食べさせられたジャスティンはそれ以来、今まで禁じられていた肉が気になって仕方なくなり、禁断の肉食は次第にエスカレートしていく。
ジャスティンに訪れた衝撃の「めざめ」とは…!
フランスではあまりのショッキングな描写に失神する観客が続出したという本作。「RAW」はフランス語で「生(なま)」という意味だそうで、まぁ、その、だいたいの感じはわかりますよね。
ベジタリアンのジャスティンがうさぎの内臓をきっかけにハンバーグ、ケバブ、生の鶏肉…と肉食にはまりこんでいくわけなんだけど、最初は「そうだよな、お肉おいしいよな」と温かく見守っていたお肉大好きのボクも次第に生々しくなっていく食生活に不安が募る。「お前、まさかそれを食べるんじゃ…あーっ!」
…めちゃくちゃに残酷な描写があるわけじゃないんだけど、ブラジリアンワックスによる脱毛の失敗とかあまり本筋とは全然関係ないところで絶妙に身近な恐怖を挟んでくるのがおそろしい。脱毛、すごく痛そうでこのへんは女性監督ならではの描写というかなんというか…。
だいたいジャスティンが通う獣医学校の荒廃っぷりがすごくて、肝心の本筋もかすんでしまうレベル。
先輩方がしきたりの名のもとに新入生をしごきまくる様子は戦争映画「フルメタル・ジャケット」で新兵が受ける苛烈なかわいがりよりもよっぽど理不尽で、そっちのほうがよっぽど怖い。
ホラーという触れ込みではあるけど、ブラックコメディ的な要素も強くて、さらに根本には年頃の女の子の青春ストーリーという骨格があるので、カジュアルな気持ちで臨んでほしいところです。
ホットドッグなんか食べたりしてリラックスして観ましょう。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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