タイトルに騙されるなかれ『​ オタクに恋は難しい』

『タイトルと中身が違いすぎる大賞2016』ノミネート作品かもしれません。

ふじた/一迅社

『オタクに恋は難しい』

タイトルを愚直に表現した漫画だと思ったんです。タイトルを見たときは。
1回本屋さんで見つけてその時は買わず、やはり気になって買いに行った2回目は売り切れで買えず、3回目Amazonも売り切れで4回目にしてやっとゲットという困難を乗り越えて買ったんです。

どんな話なんだろう?
オタクならではの専門用語の解釈の違いとかかな?
オタク同志でなんだか特有の感じあるのかな?
ワクワク!

まあ、そんな淡い期待は読んで48秒で打ち砕かれます。

今回、一応断っておきますと、ディスじゃないです。
ディスというよりは、「ケッ!」という僻みです。
単なる僻みなんです。自覚はあります。

あのですね〜〜〜
全然難しくないんですよ!!
これを読んでも全然難しいと思えない!
オタクに恋は難しい、く、ない!!
とっても楽しそう!羨ましい!!こんな気持ちになるためにこのタイトルを選び購入したんじゃない!!

もっとこう、オタクならではのコミュニケーションの断絶とか、(端から見たら)しょうもない意見の決定的な違いによる大ゲンカとか、そういうのが見たかった。
とかいう私の願いも偏ってますけど。
だってほぼ全編がただのノロケなんですもん。普通に仲いいカップルなんですもん。うわーん。
想像してたんと違う!タイトルと違う!!オタクだからこその辛さが全然ないじゃないか!!!!

2巻目でそれに拍車がかかります。ただのバカップル×2組(しかも全員同じ会社)の日常。ただの羨ましいイチャコラ。
なんだこれ。普通のカップルじゃねーか!!
うわーん!!

オタク云々の要素が全くない訳じゃないけど、所謂「市民権を得て以降のオタク像」なので、時代は変わったなーと思ったりしないでもない。
あと描かれている世界が狭すぎて、オタクだから辛いことが全くないように見える。
漫画が好きというだけで「同人誌ってやつ買ったりするんでしょ?」「コミケ常連なんでしょ?」と言われたり、サイトを持っていることなんか誰にも言えなかったり、彼氏ができると製作頻度が落ちたり落ちなかったりとかそういう、そういうちょっとギクッとするような描写があってもいいのではないか?
もうそんなもの需要ないのか。
(というか局地的な黒歴史なだけのような気もしてきました)
少なくともここに書かれてるものと私では、オタクの概念が違いすぎる。

これ以上言及すると色々ボロが出そうなんで控えます。

とここまでおかしなテンションで一気にきてしまいましたが、そもそも私がタイトルに抱いた印象こそ大きく歪み間違っているだけであって、内容は普通に面白い漫画です!
普通のお話もあり、4コマやショートストーリーもあり、さくっと読めちゃいます。
まだ2巻しか出ていないので、是非読んでみてください。
割と誰かの感想が気になる作品です。特にオタクの自覚がある人はそのはず!


初デートでどこに行けばいいかわからないとか趣味全開のコンセプトカフェに連れて行って解釈の違いにより大喧嘩になるとかそういうのかと思っていた私が浅はかなんです。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。