手段は問わない『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』

今朝、こんなニュースがありました。
なるほどなるほど…

というわけで今回は、2013年、世間のごく一部がざわついた作品。
※同じ作者なのです。

渋谷直角/扶桑社

『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』

サブカルと呼ばれる界隈が描かれています。
こんなに読む人の心をぐりぐりと抉る漫画あったかしら?
オムニバスで、それぞれ主人公は違う人間ですが、誰か一人はきっと読む人の心臓を掴みに来る。
でも彼らで心がざわつく人とは仲良くなれる気がする。
そんな作品。

収録作品のタイトルですでにキュッとなります。
◆カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生
◆空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋
◆ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園
◆口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画 (MASH UP)

サブカルってやはり少しうしろめたいというか、サブカルか…という自覚はあるわけですよ。少なくとも、サブカル=イケてる!という自覚は更々ない。あくまでもサブなんだよな~これが王道になるのは嫌だけどこの方面だからって好きでいるわけじゃないんだよな~ぶつぶつ。みたいな。近年のサブカル=おしゃれというのはちょっと違うというか、それはもうサブ・カルチャーではなくてメイン・カルチャーであって、サブではないし産業サブカルとして…
とか、そういうことをあーでもないこーでもないと考え始めてそんな自分が気味が悪い、それがサブカル。
そんな、どうせ真正面からは受け止められないんじゃないかと斜に構える自意識を意地悪く・自虐的に・俯瞰で書かれた作品。

1巻で読み切りの作品で、割とどこの書店でも取り扱いがあると思うので、是非1話めだけでも読んでみてください。

そしてこれはあくまでも個人的な感想ですが、ああ東京そのものだなと思いました。
勿論仕事や生活があるので今も東京に住み続けているけど、同時にどこかで『帰ったら負け』という意識があるのは否めない。そんなところこそが最も田舎者たる所以なんだよなあ。


カーミィのポリシーは開き直ってて好きです。共感はしないけど。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。