『観察力が重要』
今回のドラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』にあたり、役作りの準備等はされましたか?
今回は研修医さんの生活スタイルを調べるところから始めました。
私の演じる田丸綾香という女の子は、大学を首席で卒業した、とても真面目で一生懸命な研修医で、7人の女医の中では最年少。
研修医って時間のない中でいかに学ぶことができるか、その観察力がとても重要だなと思いました。
ドラマの撮影現場はどんな雰囲気ですか。
めちゃくちゃ楽しいです!共演者の皆さんのことが大好き!無茶振りされることも多いのですが(笑)、おかげでメンタルがとても強くなりました。
こんなに沢山の女優さんに囲まれることは中々ないですよね。現場初日から自分からいっぱい話しかけさせてもらいました。お姉ちゃんがいっぱい増えたという感じで、皆さんに懐いてます。
主演の吉田羊さんを始めとする先輩方が、もちろん女優として仕事中はキリッと集中されているのですが、素の時はとってもチャーミングなんです。愛のある素敵な方達で、カッコよくて、大好きです。
『みんなの会話をずっと聞いていたい』
台本をもらってまずすることは何ですか?
いきなり声に出して読まずに、黙読を何回もしてしっかりとストーリーを読みます。
初めから自分の役に集中するのではなく、見る側の気持ちでどういうお話なのかを把握することを意識しています。
ご自身ではどういう性格だと思いますか。
生真面目で、頭でっかちなところもあると思います。そのぶん、分析したり考えたりするのが大好き。本を読むことも好き。
あと、人のお話を聞くのが好きですね。取材されるよりも、取材したい(笑)。
今回は現場で皆さんがいっぱいお話しされているのをずっと聞いているのが楽しいですね。折角用意してもらった楽屋にはあまり帰らず、皆さんがいらっしゃるところで耳をそばだてています。
お芝居の魅力とはなんでしょうか。
いっぱいあると思うんですが、一番は仲間がどんどん増えていくことですね。
このお仕事をしていなかったら、こんなに沢山の個性が違う方々と話すことなんてなかったので、そんな人たちと一緒に何かを作るって楽しいなと思います。
『役に馴染むって楽しい』
女優としての転機を教えてください。
福田雄一監督の映画『明烏』で初めてヒロインを経験したことです。右も左もわからなかった当時の私に、沢山のアプローチや、変顔の限界などを叩き込んでもらいました。
あの作品で「人に笑ってもらう楽しさ」や「現場での自分の役割を把握することの大切さ」を知りましたね。
監督の指示で役に馴染むことってこんなに楽しいんだ!と気づけた作品です。
お芝居をする上で大事にしていることは?
私生活でもそうなのですが、『相手の話をしっかりと聞くこと』ですね。きちんと台詞を聞いて、それにどう応酬していくのか。
能動的なお芝居より、受動的なお芝居を大切にしたいと思っています。
お芝居を常に俯瞰で見てくれている監督の言葉もとても重要ですね。
『心にガツンとくる』
写真は好きですか?
好きです!お友達と遊ぶとずっとその子を撮ったりしています(笑)。
最近は、スマホで撮って加工して…が基本なのですが、実家にいた頃は一眼レフで撮ってましたよ!
上京の際に自分の趣味などはほとんど置いてきたのですが、カメラは今また欲しいなと思っています。
お休みの日は何をして過ごしていますか。
お家でずーっと本や映画を見てのんびりしたり、かと思えば広い公園が大好きなのでそういうところに出かけたり、買い物したり…普通ですね(笑)。
コーヒーが好きなので、地元の普通の喫茶店や知り合いのアトリエにお邪魔して出してもらったコーヒーを飲む…っていう。
今の自分に影響を受けたものや作品はありますか。
美術館と映画館が好きで、海外の作品を見にいくことが多いです。
あまりにも途方も無い試みに挑戦していることを目の当たりにできて、心にガツンときますね。
みんなの心を惹きつける作品を作るって、私にとってはエベレスト登山と同じくらいすごいことなんです。
私はいつ山に登るんだろう…。頑張らなきゃ。
『恩返しができるように』
これからやってみたいお仕事を教えてください。
歴史の作品に関わりたいです!
昔実在して言葉を残した人物の足跡をもう一度追いかけることはとても勉強になります。
中でも、やはり幕末から明治にかけて日本が激動の時代、女性が一歩踏み出したその時を演じてみたいです。
個人的に挑戦したいことはありますか。
お仕事とつながる部分もあるんですが、いつか舞妓さんの役をやりたいんですね。そのために、日舞を習いたいなと思っています。
何年かかるかはわからないけど、いつか。
芸事で何かを見つけようとした人ってこの女優のお仕事とリンクする気がします。
今年の残り1か月と、来年はどういう一年にしたいですか?
今年は「走りきる!」(笑)。
12月は初めての舞台に挑戦するんです!演出は、なんと福田雄一監督です!
初めての映画ヒロインも初めての舞台も福田さんとご一緒できて、自分にとってとても意味がある舞台になりそう。福田さんに恩返しできるように、色々準備をしています。
そんな風に、今年はドラマに舞台と色々挑戦させてもらっているので、来年はじっくり時間をかけて撮れるような映画作品に挑戦したいなと思っています。
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吉岡里帆 プロフィール
1993年1月15日生まれ。京都府出身。
2013年デビュー。多数の作品に出演し、2015年後期の連続テレビ小説『あさが来た』田村宜役で一躍注目を集める。
現在も多数のドラマ・CMで活躍中。
12月には初の舞台『ナイスガイ in ニューヨーク』への出演が控えている。
ドラマ『レディ・ダ・ヴィンチの診断』 http://www.ktv.jp/ladydavinci/index.html
患者の命を救う“最後のとりで”となるべく東光大学病院解析診断部に集まった7人の女性医師たち。彼女たちが解き明かすのは、原因不明の病の謎。そして、そこに隠された“患者たちの悩み”。 医師として、女として、人として、時にぶつかり合いながらも患者に真摯に向き合う彼女たちが、原因不明の病に立ち向かう姿を1話完結で描いていく未だかつてない医療ミステリードラマ!
スタイリング:小川未久
撮影:大村祐里子