『表現の匙加減』

映画『嘘を愛する女』の台本を初めて読んだ感想はいかがでしたか?

今回は端的にいうと“ゴスロリファッションのストーカー”だったので、とてもインパクトがある役だな、と思いました(笑)。
撮影前に監督にお会いして、台詞を何度か読み合わせをしました。この心葉という役が作品の1つのポイントになればいいなと。
今作は監督が各キャラクターに細かく設定を考えられていて、心葉にも空手を習ってるとか、どういう大学生で…といった設定がありました。

心葉役の手応えはどうですか。

ストーカーの役で、そういうシーンの時はずっとドキドキしていました。
見つかったらどうしようとか、バレた時のこととか…。その反面、普段はできないことだらけだったので、楽しかったです(笑)。

苦労したところはありますか?

心葉は個性的な子なので、その個性を表現するのが中々難しかったですね。
自分で感じるよりもっと変わった感じに演じないとOKがでなくて…
自分のアイデアをベースに、監督に演出してもらって心葉を演じました。基本的には自由に演じさせてもらって、そこに監督がこだわりを色付けていくという感じですね。

『自分自身は嬉しかった』

吉田鋼太郎さんとの遭遇シーンには驚きました。

あれは何回か練習して、実はその内数回は失敗しちゃってるんですよ。吉田さんには申し訳ないことをしました…。
体が硬いので、足が思うように上がらなくて大変でした。

撮影当初はDAIGOさんに気づかなかったそうですね。

そうなんですよ(笑)。普段私たちが思うDAIGOさんからは全然想像もつかないDAIGOさんが現場にいて、最初は本当に気づかなくて…衣装さんかと思ったんです。
でも、あのDAIGOさんはいつものDAIGOさんとはまた違う魅力がありました。

長澤まさみさんと本気で対峙するシーンはいかがでしたか。

役ではもちろん向かっていかないといけないんですけど、私自身は逆にすごく嬉しかったんです(笑)。
人生で初めてビンタされた相手が、昔からずっと活躍を見ていた長澤さんなんて、すごいことですよね。

集中するための方法はありますか?

やると決めたらやる!ですね(笑)。
合間にちょっとだけやろうとかしても結局全然覚えられないので、今は集中する時間と決めて、切り替えをしっかりします。
現場に入って衣装に着替えてメイクをしてもらって、あとは芝居をやりきるだけなので、役が混同することはないですね。なので、一度に複数の作品を並行しても平気です。

『いい嘘も悪い嘘もない関係』

心葉に共感できるところはありますか?

やっぱり好きになったら色々調べちゃいますよね!(笑)
私も普段から人のことを結構よく観察しているので、心葉が先生をよく見ていたところはわかります!

川栄さんは、嘘を愛せる女ですか?

私自身は、嘘は絶対にナシ派です!(笑)
自分も相手も、いい嘘も悪い嘘もない関係でいたいです。
でも、実際は難しいですよね。愛の形は人によって違うし、その人の過去も全て愛せるのか…私だったら耐えられないですね。

改めて映画『嘘を愛する女』の見どころを教えてください。

愛の難しさを実感できる作品です。
事件が起こる前と後では全く違って見える側面が沢山ある作品なので、何度見返しても楽しんでもらえると思います。
実話ベースのお話なので、こういうことが実際にあったんだというところも意識して見てもらうと、また違った面白さがあるはずです。

『楽しいから余裕がある』

女優としてどんどん活躍されていますが、ズバリ、お芝居の楽しさとは何でしょうか。

自分の人生だったら体験できないようなことをできるのが演技の楽しさだし、共演者の方々から学ぶことも沢山あります。
元々色んな役がやりたいタイプなので、幅広くやらせてもらえているのはとても幸せです。毎日がとても楽しいです!
あんまり役作りが得意じゃないので、カッチリ作り込むより、自分だったらどうするか?と想像力を膨らませて演じています。
楽しいことだから自分の中に余裕があるんですよね。焦らず、前向きに取り組んでいます。

魅力的でいるための秘訣を教えてください。

常に意識しているのは、“よく笑うこと”です。笑っていると、色んな事が全部楽しく思えてきます。それも決して無理に笑っているとかじゃないんですよね。
実際自分の笑いのツボも浅いので、何でもすぐ笑っちゃうんです(笑)。共演する方々にも、『よく笑うね』と言われます。
あと、常に周りの方々を敬うようにしています。自分が低姿勢でいることを心がけています。それはお芝居だけでなく、普段のふるまいもそうですね。

2018年はどんな年にしたいですか。

一番は、自分が楽しめたらいいな、と思います。
お仕事ってマイナスな気持ちがあったらそれが出てしまうだろうし、とにかく気持ちを上げて挑みたいです。
仕事で落ち込んでも、家に持ち帰らないタイプなんです。昔に比べて切り替えが上手くなりました。
今はとにかくお芝居することが楽しいので、ずっとお芝居をしていたいですね。

◎ドレス /TADASHI SHOJI

川栄李奈 プロフィール
1995年生まれ、神奈川県出身。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16年)、ドラマ「フランケンシュタインの恋」(17年)、「僕たちがやりました」(17年)など、話題のドラマにも出演し、実力派若手女優として注目を集めている。
近年の出演作に、『デスノート Light up the NEW world』(16年)、『亜人』(17年)、『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』(18年公開予定)、『恋のしずく』(18年公開予定)など。


映画『嘘を愛する女』 http://usoai.jp/
大手企業に勤める由加利(長澤まさみ)は、恋人の小出桔平(高橋一生)と同棲5年目を迎えていた。ある日突然、桔平が倒れたことをきっかけに、彼の名前、職業など全てが「嘘」だったことが分かる。由加利は、彼の秘密を追うために、私立探偵の海原(吉田鋼太郎)とその助手・木村(DAIGO)の手を借りることに。調査中、謎の女子大生・心葉(川栄李奈)も現れて―。彼女は、眠り続ける「名もなき男」の正体に、辿り着くことができるのか―。
1月20日(土)全国ロードショー
監督:中江和仁/脚本:中江和仁 近藤希実/音楽:富貴晴美  
出演:長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 黒木瞳 吉田鋼太郎

ヘアメイク:信沢hitoshi
スタイリスト:岩田麻希
撮影:大村祐里子