『迷うけど会ってみたい』

今回の映画『恋と嘘』では役と本名が同じですが、違和感などはありましたか?

本番中もカットがかかった後もずっと葵ちゃん、葵って言われてたのでドキドキしました(笑)。
実は最初、脚本に葵と書いてあったので「まだ役名が決まってなくてひとまず私の名前にしたのかな?」と思ったんです(笑)。
他の現場でも役名で呼ばれることが多いですが、今回はずっと葵だったので、最初からすんなり現場に馴染めた気がします。

政府通知とお芝居で相手を好きになるのって、似て非なるものなんでしょうか?

確かに、近いものはあるかも!政府通知もお芝居も“ここに書いてある人が相手だから好きになってね!”っていうことですもんね。
いきなり言われても戸惑いますよね。何がどうなってその人が運命の人なのか、全然想像つかないです。
もし自分に政府通知が来たら、結構迷うと思います。でも会ってはみたい…自分にピッタリな相手なんですもんね。
運命の相手って、きっとそう簡単に出会えるものじゃないですし。それを自分で探すことなくいい相手と出会えるなら、乗っかっちゃえ!みたいな(笑)。

安定と本当の気持ち、どちらを選びますか?

私だったら、自然と安定を考慮した相手を好きになると思います。無意識のうちにどっちも考えてるのかな。
あんまり破天荒な恋愛よりは、きちんとしてる人が好きです。
でも『恋と嘘』に出てくる2人は、司馬も高千穂も、とっても素敵な人たちですよね。この2人だったらどっちでも素晴らしい相手ですよね。

『30歳と小学生』

共演の北村匠海さんと佐藤寛太さんの印象を教えてください。

匠海くんは3人の中では一番年下だけど、一番大人でした。周囲をよく見ているし、現場での振る舞いもスマートだし、真面目で、お芝居も上手いし…本当は30歳くらいなんじゃないかって思ってます(笑)。
寛太くんは、なんだか小学生みたいでした(笑)。涼しげな目だし、最初はクールなのかなと思ったんですが、真逆でした。お茶目で、一生懸命で、年下男子の可愛さがありました。

古澤監督の印象を教えてください。

色んなことをきちんと伝えてくださるし、役者のことをとてもよく見ていてくださる方でした。
『僕が作品全体を把握しているから、今はこのシーンに集中していいから』と言ってくださって、とても心強かったです。安心してお芝居に集中できて嬉しかった。
この監督を頼って頑張ろう!と思えました。

お気に入りのシーンを教えてください。

とあるイベントの前夜に、みんなが自分の部屋で思いに耽るシーンです。
司馬と高千穂はそれまでは基本的に葵と一緒にいるので、彼ら個人が1人で思考するシーンがないんですね。そんな彼らの違う表情が見れるので、とても印象に残っています。
あとは、葵から2人へのイタズラ“ほっぺツン”と、その反応の違いも是非注目していただきたいです。

『バランスが大事』

森川さん自身の高校時代はどんな子でしたか?

地元の高校時代がとても楽しかったですね。
インテリア科に通っていて、個性的な子がいっぱいいました。私はそこでお仕事とは違う格好やメイクをしてました。仕事ではナチュラルや可愛らしい感じだけど、学校では結構強めとか(笑)。
先生に注意されることもあったけど、やりたいことをやっていたし、とても楽しかったです。今振り返るとちょっと恥ずかしいけど、後悔はないです。

どんな人が運命の人だといいでしょうか。

やっぱり王子様みたいな人がいいですね!
優しくて、キラキラしてて…私のやりたいことを応援してくれる人がいいな。

恋愛に限らず、誰かに運命を決められるのはどう思いますか?

二十歳超えてから、自分で決めることの重要性や大変さを実感します。やれることや決められることは自分で決めなきゃ…とは思います。
でも誰かに色々決めてもらうのって楽なんですよね(笑)。マネージャーさんとか、私のことをわかってくれてる方々の意見も大切だし。
自分で決めることと、周りにジャッジを委ねることのバランスが大事だなと思います。

『受け入れていきたい』

ここ数年で、ご自身の中での変化はありますか?

仕事に前向きになりました!
以前は自分がお芝居する意味を考えすぎてネガティブになることもあったのですが、この1年くらいで徐々にお芝居にきちんと向き合えるようになってきました。
もちろんお仕事はずっと楽しいですが、最近は特に、現場を重ねるごとにどんどん楽しくなります。A-studioでいろんな先輩方のお話を聞いたことが影響してるのかも。

森川さんは役によって全然印象が変わりますよね。

私は、その子がどういう服を着ているのか・どういう髪型なのか、そこから役を追求していきます。
人って、生活や性格が見た目に出てくると思うんです。今回の葵は恋に夢見る女の子で、自分が可愛いと思うものを素直に身につける子だなと考えて、作り上げていきました。

今後の目標を教えてください。

もうちょっとしたら制服も着られなくなると思うので、ギリギリまで制服を着たい、という気持ちと、同時に大人な役や社会人の役をきちんと演じたいなという気持ちが同時にあります。
精神面的には、今までは自分から何かを追いかけることが多かったのですが、今は受け入れの体制でいようと思っています。

ワンピース:Yeti/イヤリング:emamima/リング:un by yoshida\tomoyo

森川葵 プロフィール
1995年6月17日生まれ。愛知県出身。2010年、「Seventeen」のオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれ、モデルデビュー。
女優としては2012年より活動をスタートさせ、2016年4月からは「A-Studio」の8代目アシスタントを務めるなど活躍の幅は広い。
主な出演作は、『渇き。』(2014)、『人狼ゲーム ビーストサイド』(2014)『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016)、『金メダル男』(2016)などに出演。今後も『嘘八百』『OVER DRIVE』が公開予定。


映画『恋と嘘』 http://koiuso.jp/
マンガアプリ「マンガボックス」で連載を開始した途端に人気No.1大ヒットを記録し、2年半にわたりその地位を不動のものとしている大人気マンガ「恋と嘘」。コミックス発売後も重版を連発しアニメも絶賛された本作が、原作とつながりを持つアナザーストーリーとして待望の実写映画化。2017年10月14日(土)全国公開。
出演:森川葵 北村匠海 佐藤寛太 / 浅川梨奈 田辺桃子 / 遠藤章造 眞島秀和 温水洋一 / 中島ひろ子 三浦理恵子 木下ほうか / 徳井義実
監督:古澤健(『ReLIFE リライフ』) 
脚本:吉田恵里香(『ヒロイン失格』) 
原作:『恋と嘘』ムサヲ(週刊少年マガジン編集部「マンガボックス」連載)
配給:ショウゲート

ヘアメイク:牧田健史
スタイリスト:武久真理江
撮影:大村祐里子