『対照的だけどどこか似ている』

映画『14の夜』のストーリーと、ご自身の役について教えてください。

この作品は、14歳男子の青春…いや、性春かな?(笑)…そんなお話です。
思春期の男子が考えていることや人間関係、また主人公のタカシの家庭の話なんかも本当にリアルで、全てのエピソードがそれぞれきちんと描かれていて面白い作品です。
僕はヤンキーの金田役で、自分より弱い人には強く、強い人には弱い。ツッパっているけど、本当は内に秘めたものがある、そんな男の子です。

健太郎さんの14歳は誰に近かったですか?

金田とタカシを足して2で割った感じでした!
タカシ同様、僕にも姉がいて、今は仲が良いんですが、当時はタカシと同じようにちょっとスカしていました。本当は家族が大事なんだけど、鬱陶しいフリっていうか。
金田の感じもわかります。僕はここまではしなかったですが(笑)、イキがっちゃうところはわかる。
この二人は対照的だけど根底では似ている部分もある気がします。

印象に残ってるシーンと、見どころを教えてください。

印象に残っているのは、プールサイドで金田とタカシが2人で話すシーンですね。あの場面は金田の本質が出ていて、とても好きなシーンです。
冴えないタカシの乱闘シーンや、金田の強がりや葛藤も注目してもらいたいです。
そして、タカシの家族のシーン!三石研さんがとにかくだめな父親でいいんです!こんな家族いやだけどいいなぁと、矛盾していますが、そう思えたシーンなので、ぜひ注目して観てほしいです。

『楽しい感覚を追いたい』

役者を目指したきっかけを教えてください。

14歳のころモデルをはじめたんですが、当時のマネージャーさんの勧めで、舞台のオーディションに行きました。芝居に関して素人だったので、台詞を覚えるだけ覚えて芝居をしました。
覚えたセリフをただ出しただけなので、もちろん落ちたんですが、そこで悔しい気持ちと同時に楽しいなと思った瞬間があったんです。その楽しいっていう感覚をもっと追いたいという気持ちから、役者を真剣に目指そうと思いました。

将来的にどういう俳優になりたいですか?

いろいろな役ができる俳優になりたいです。沢山の引き出しを持って、できるだけ多くの役を演じさせてもらいたい。
実は今回、金田役と並行してドラマで真面目な役を演じていたんです。真逆な役を同時期に演じて、とても刺激的で楽しかったです。

2016年の総括と、来年の目標を教えてください。

今年は、ありがたいことに本当に沢山の作品でいろいろな経験をさせていただきました。
来年はもっとたくさんの方と出会って、もっと多くの作品に出て、もっといろいろな役を演じたいです。

■健太郎 プロフィール
14歳からモデルとして活動後、2014年「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で、本格的に役者業を開始。
『学校のカイダン』、『俺物語!!』『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』、『仰げば尊し』、『テラスハウス』(スタジオレギュラー)、『ミュージアム』など、話題作に次々に出演。
待機作『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』、『サクラダリセット前篇/後篇』に出演するなど、今注目の若手俳優の一人である。

■映画『14の夜』 http://14-noyoru.com/
1987年の田舎町を舞台に、性への妄想を膨らませる中学生たちの姿を、バカバカしくも真面目に描いた青春劇。
町に1軒だけあるレンタルビデオ屋でAV女優・よくしまる今日子のサイン会が開催されることを知ったタカシら4人の中学生は、まだ見ぬ女性の胸への憧れに駆り立てられる。
監督・脚本:足立紳。出演:犬飼直紀 濱田マリ 門脇麦 和田正人 浅川梨奈(SUPER☆GiRLS) 健太郎/光石研 ほか。2016年12月24日より全国公開。

ニット:アダム エ ロペ(アダム エ ロペ)/パンツ:セラドア(アダム エ ロペ)/シューズ:T-MICHAEL(UNIT&GUEST)

撮影:大村祐里子