『誰かを救うためなら』

今回の役を終えて、率直な感想を教えてください。

理系の女性は初めてだったので、色々な動画を見たりして研究しました。小保方さんの動画やネズミの実験動画とかも参考に見たりしました。

役とご自身で共通点はありますか?

いつも、自分とは全然違うような人物でも、なぜか『あっこれ私だ!』って思っちゃうところがあります。
今回も、解放せずに生きている女性が自分と重なりました。

未知の技術があったら使いますか?

普通に生活する上だけなら、怖くて使えないですよね…でも、大切な誰かを救うために、その可能性があるものであれば、使いたいという気持ちはわからなくもないです。矛盾しちゃってますけど(笑)。

『日常をしっかり生きる』

女優になったきっかけは何ですか?

私は長女なんですけど、“人前で良い子でいなければいけない”という気持ちで真面目に生きてきて、色々と無意識で隠してきたんだと思います。
保育士目指して短大通ってたときに赤坂で声を掛けられて芝居のレッスンに通ううちに、コンプレックスとか抑えてた何かを出して良いんだと気付き、楽しくなったのがキッカケです。

芝居する上で意識していることを教えてください。

自分の感情などにお芝居をやった後に気づくことが多くて、それに気づいてからは日常をしっかり生きることを心掛けています。
この歳で、色んなものを背負って生きていきたいと思い始めました(笑)。

今後やってみたい役などはありますか。

自分でこれがやりたいというより、どんな役でも頂いたものを貪欲に受けたいですね!不幸な役が多いのですが、天真爛漫な女性も、悪女も、なんでもやっていきたいです。

■宮本なつ
1984年7月27日生まれ、群馬県出身。
企画・主演を務めた『ひとまずすすめ』(柴田啓佑監督)で第8回田辺弁慶映画祭女優賞受賞。2015年にテアトル新宿にてレイトショー公開され、好評を博す。
近年の出演作品に、鹿児島県大崎町ショートムービー『つむぐまち』(16/湯浅典子監督)、映画『水際の魚』(15/高巣雄太監督)、『山守クリップ工場の辺り』(13/池田暁監督)、TVドラマではNTV「ヒガンバナ」、TVK「びったれ!!!」等。
2016年に斉藤夏美より改名。

映画『SYNCHRONIZER』http://synchronizer.jp/
人間と動物の脳波を同期させるという無認可の研究を孤独に続ける、研究者の長谷川高志(万田祐介)。研究所で立場の弱い彼を見守る同僚の木下萌(宮本なつ)は、この実験が、脳機能障害をも改善させる素晴らしい成果をもたらすことに気づく…。
大切な人のために倫理を超えた実験に没頭する男。そんな男を盲目的に愛する女。そして息子の愛を一身に受ける母。3つの愛は、やがて人々を狂気へと誘い、暴走する。果たして彼らの愛が行き着く先には、何が待ち受けているのか?
『UNLOVED』『接吻』の万田邦敏監督が放つ、究極の愛と狂気の物語。
2015年/日本/カラー/83分/配給:SYNCHRONIZER

撮影:大村祐里子