籠の中の鳥は、そこが全て「誰も知らない」

1988年が
ここ最近だと感じるのか
昔だと感じるのか
人によって違うけれど
わたしは、ここ最近だと感じる。

柳楽優弥さんの出身作
「誰も知らない」

聞いたことある人も
観たことある人も多いと思う

1988年に本当に起きた事件がある
戸籍のない子どもたちが
置き去りになり
子どもたちだけで生活する話。

設定というか、置かれた状況だけ聞くと可哀想だけど
映画でみる子供たちはのびのびとしている

籠の中が全てだと思えば
そこが自分の中での楽園とまで言えないが
“不幸”であることを気付かないように思う
“不幸”と断言するのは自分の尺度でしかないから
なんとも言えないけれど…

撮影地は実家の近くだった
水も止められ
公園で水汲みをするところも

あの少しサビれた公園も。

今では公園はリニューアルしている

「誰も知らない」

戸籍がないから
大人は誰も子どもたちのことを知らない

生きてることも
死んでることも
産まれたことさえも
知らない

子どもたちだけで生活していたことも
衝撃だけれど
これってもしかしたら身近で起きていてもおかしくない
隣の家の人が誰と住んでるかもしらないし
東京都内ってそんなものなのかもしれない

と、冷たいような
無関心でもある発言してしまうが…
脚色はあるものの
ノンフィクションなので
こういう事実を知った方がいいのかなと思う

籠の中の、空は籠の柄。
籠の空間が全て。
籠の中の人が誰よりも味方。

子どもたちは、
お金のなさに辛かったこともあったとおもう
ただ、当人たちは何を感じたのかが分からない
分からないけれど、辛い

残酷なことをしてるようで
純粋に愛があったお母さんの下に産まれた子どもたちの
実話を映像化してると思います。

是非ごらんください

1円を落っことして拾わなかった人を横目にパシャり。
1円を笑うやつは1円に泣かされるよってね。

どろん。

タカハシ
平成元年生まれ。
映画関係者。