日本よ、これが「歌合戦」だ「ピッチ・パーフェクト2」

あらすじ:女子大生アカペラチームが世界を舞台に大暴れ

☆☆☆(星3つ)

問題だらけのアカペラ女子大生たちの、歌やら恋やら×××やらにまみれた青春を描いてスマッシュヒットを記録した音楽コメディ映画の続編がついに日本公開!

女子アカペラ部凋落の原因になった強烈に”OUT”な事件から始まった前作と同じく、今回ものっけから大変なことが起きる。でもそのスケールは前作の比じゃない。
オバマ大統領の誕生パーティーというこの上なく華々しい舞台で起こるそのハプニング(劇中のニュースではテロ事件として扱われてた)についてはぜひ映画館で確かめてください。今思い出してもひどい。

このように前作が売れたからといってエグいギャグは一切出し惜しみなし。「ジョン・ウィック」は2分に1人のペースで死人が出たけど、こっちは10秒に一回のペースで肥満、黒人、ゲイ、セックス依存症、不法入国者、メンヘラ…超個性的なメンバーが自分の得意ジャンルでボケにボケる。

「そんなんで映画が成立するの?」と思われるかもしれないけど、これがまぁ意外とするんですよね。
前作でアカペラ部期待の新人として登場した主人公のベラ(アナ・ケンドリック)も今や最上級生。そして新たに入部したフレッシュな新入生のエミリー(ヘイリー・スタインフェルド)を中心に「継承」のドラマがベタながらしっかりと描かれていて、青春映画の続編としての完成度がすごく高い。
そしてまさにその「継承」が結実するラストはわりと本当に感動しちゃうんですよね、これが。
その感動を補って余りあるひどいギャグにはこの際目をつぶろう。

今回も大活躍(大暴走)のファット・エイミー(レベル・ウィルソン)を始め、人種も国家も社会問題やマイノリティも全て笑いの種にしてしまう映画の勢いと、それを良しとするアメリカのエンターテインメントに対する懐の深さ(放任とも言えるけど…)に感心しちゃう。

あ、肝心の音楽のことに全然触れてなかった。とりあえずイメージそのまんまのドイツチームが(もはやアカペラでもなんでもなくて)最高です。必見。

☆…「はじまりのうた」でも音楽的才能を存分に発揮していたヘイリーちゃんのフレッシュな魅力で星1つ
☆☆…ハイレベルな歌とローレベルな笑いの夢の共演で星1つ
☆☆☆…レベル・ウィルソンの怒涛のがんばりに星1つ
☆☆☆☆…レベル・ウィルソンの怒涛のがんばりで減点1つ
☆☆☆☆☆…連載1ヶ月目にして「だいたい星4つですよね」とバレてきたので心を鬼にしたけど、実際は今回も星4つくらいあげたい

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ファット・エイミーの姿を見てると無性にパンケーキが食べたくなる。先週のラーメン二郎は担当者に苦い顔をされたけど、これなら大丈夫だろ…。

おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk