“爆発芸人”ボンドがついにたどり着いた極地『007/スペクター』

あらすじ:ジェームズ・ボンドがいい女とうまいことやる。

☆☆☆☆(星4つ)

みなさんは「007」シリーズって好きですか?
ボクは特に、なんというか、その、普通です。普通でした。
ジェームズ・ボンド俳優といえば世代的に未だにピアース・ブロスナンのイメージなんだけど、じゃあピアース版「007」がおもしろかったかといわれるとそういう気もしない。良くも悪くも「往年の小洒落た(とされる)スパイ映画」って感じだった。

今回の「スペクター」で4作目となる現在のダニエル・クレイグ版「007」はといえば、ワイルドさが前面に出ていて往年の「小洒落たスパイ」感はあまりないかもしれないけど、肝心の映画としてはすごくおもしろくなってる。
前作「スカイフォール」ではボンドの生家が冗談みたいな量の火薬で盛大に爆発していたけど、その前作が特大ヒットしたものだから同じ監督、同じ主演と盤石の布陣で臨んだ今作でもその爆破っぷりはものすごい。こいつらすっかり味をしめてやがる。
その甲斐あって終盤のシーンでは「映画史上最大の爆破」として見事ギネス世界記録を叩きだしたとのこと。
「あれ「007」ってそういう映画だったっけ?」という一抹の疑問は残るけど、時代が変わればスパイも変わる。都合の悪いものはとにかく派手に吹き飛ばしちまうのが最近のスパイのトレンドなのだ。

そして満を持して(大人の事情を乗り越えて)ついに登場した悪の組織「スペクター」とボンド氏の深い因縁。このあたりはダニエル版「007」3作を復習してから観に行くとより楽しめるかもしれない。
でもまぁ別に復習しなくてもいいです。
熱心なファンだろうが一見さんだろうが、目の前で起こるスペクタクルをただ楽しめばいいんです。「こいつ誰?」みたいなことがあっても気にしなくていいし、
おなじみの手の平サイズの小型拳銃ワルサーPPKではるか彼方のヘリコプターを撃墜したりしてるのも気にしなくていい。
ボンドが銃を撃てばそれは必ず命中するし、ボンドが女性に近づけば1分後には二人はベッドの中…そういう「007」シリーズの伝統的かつ基本的な要素を忠実に再現し、伝統芸能と近代活劇映画の融合が4作目にしてついに完成した今作は見応えがあったし、2時間30分の上映時間もあっという間に過ぎてしまった。

「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」で見せた実録路線と、「スカイフォール」から垣間見えた原点回帰が見事に調和した今回の「スペクター」。
劇場を出るときにはボンド氏のようにジャケットの襟を正して颯爽と歩きだしてしまうこと間違いなし。

☆☆☆☆…爆発のことばかり書いちゃったけど、歴代最高(※個人の感想です)のボンド・ガールを見事に演じきったレア・セドゥ様だけで星4つは固い。

縦位24687置元
ボンド氏を見習ってホテルのバーでウォッカマティーニを飲むつもりが、なぜか焼き鳥屋でレモンサワーをすする羽目になってしまった。どうしてこうなった。

おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk