あらすじ:ヒップホップの伝説的グループ「N.W.A」の栄枯盛衰。
☆☆☆☆(星4つ)
去年末の「スター・ウォーズ」フィーバーですっかり書きそびれていた今作。内容自体はすごくよかったので
スルーするのも忍びないと思っていたところに映画のDVD発売が決定したり、同じくN.W.Aを扱ったドキュメンタリー映画(「N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン」)が公開されたりと再び盛り上がりを見せていることだし、いい機会なので筆を取りました。
といってもボクはヒップホップ音楽については初心者なので、去年の夏くらいにこの映画が全米で爆発的大ヒットしてるというニュースを見て初めてN.W.Aというグループを知った。
ギャングスタラップにはあまり興味がないけど、この盛り上がりは無視できないとつい劇場に向かってしまった。
音楽映画なのに冒頭からドラッグの取引現場に警察が突入してくるシーンで始まるのが「さすが全米屈指のクライムシティ、コンプトンだぜ…」という感じだけど、よくよく映画を観ていくと実際にギャングだったのはその冒頭で警察から逃げ回ってた売人のイージー・E(ジェイソン・ミッチェル)だけで、曲を作るドクター・ドレー(コーリー・ホーキンス)とリリックを書くアイス・キューブ(オシェア・ジャクソンJr.)は元々普通の学生で、友達のイージー・Eが送るハチャメチャな売人生活とか「黒人ってだけで警察にいじめられてつらい」みたいなことをラップにして歌ってたんですね。
ギャングスタと聞くと「金!オンナ!クスリ!銃!」みたいな貧困なイメージがつきまといがちだけど(実際にそういう部分もあるんだろうけど)、友達が集まって「とりあえずやってみようぜ!」というわちゃわちゃ感は実に青春してる。
俳優陣もみんな実物に似ててヒップホップ業界でも評判がいいみたいだけど、その中でもドクター・ドレーとレコード会社を立ち上げたシュグ・ナイトは「実在の人物をこんなに悪く描いていいのかな…」と心配になるほどののワルで存在感バッチリ。
どうやら今は刑務所に入ってるみたいだけど、でも出社したら絶対この映画観るよなぁ…。怒ったりしないのかなぁ…
なにしろ当事者のドクター・ドレーとアイス・キューブがプロデュースしてるので実際と異なる部分もあると思うけど、青春活劇としてのクオリティがとにかく高いし、それでいてリアル。
N.W.Aが成り上がっていくライブシーンの迫力と仲良しグループが徐々に分裂していく後半の侘しさはヒップホップ云々を抜きにして胸に沁みるものがある。
☆☆☆☆…ヒップホップに興味があろうがなかろうが関係なく楽しめる力作。まぁ「コンプトンに行ってみたい」とは全く、少しも、これっぽっちも思わないけど。
ヒップホップといえばレペゼン地元ということで、故郷で採れた釜揚げしらすの軍艦巻き。みなさん、茅ヶ崎のしらすをよろしくお願いします。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk