例えばこんな未来『PARADRUGS』

どうでもいいことまでなんとなく覚えている性分なんですが、やはり記憶と感情はセットのことが多いので、その度に恥ずかしさで死にそうになることが多々あります。
思い出し恥ずかし、思い出し怒り、思い出し悲しみ、、、
記憶力が変にいいのも一概に良いとは言えない。

そんな良くも悪くもずっと付きまとう記憶を、自由に編集あるいは改竄できたとしたら?

萩原浬/新潮社

『PARADRUGS -パラドラッグス-』

記憶を編集できるという記憶保存学研究者の元に訪れる人々、研究者の彼を取り巻く人々、そして彼が記憶の保存にこだわる理由とは。
記憶にまつわる作品(記憶喪失とか或いは記憶力が著しくそれを活かす話とか)は沢山ありますが、これはそれを編集してあれこれしちゃうぞ!というお話しです。

この作品、登場人物が相当複雑に頭がおかしいんですが、それをネタバレをせずに説明することが難しいので、一度読んでいただきたいのです。
全2巻・完結済みなのでさくっと読めます。

忘れたい人、忘れたくない人、両者とも極端すぎる人ばっかり。
執着がありすぎてたどり着いたのがここか…という。
まあそりゃ自分とは何かといわれたらこの生きてきた記憶でどうにかするしかないわけで、それを改竄しようとするような人たちが極端なのは当然のことかもしれないんですけど。

結局、自我を失う程のものでないのなら、記憶は記憶として現実を受け入れるが平和だっていうことなのかもしれません。
…と物わかりのいいフリをしつつ、毎日思い出し恥ずかししているのも結構辛いっちゃ辛いんですけどね。辛いというかあまりいい癖ではないよなーという自省かもしれない。

この設定自体結構好きだったのであと3巻くらい続いてほしかったんですけど、2巻でさくっと終わってしまいました。
ドラマ化とかもしやすそうなんですけどね。
どうですかね。

ちなみに記憶にまつわる作品といえばこちらも外せません。

清水玲子/白泉社

『秘密 THE TOP SECRET』
この作品は大好きすぎてどうまとめていいかわからないのですが、今夏の映画公開前あたりに取り上げられたらいいなと思っております。

それにしても、他人に記憶を覗かれる未来は絶対に嫌だなあ。
思考だけは唯一絶対の自由であるべきですよね。


大体お風呂で毎日あれこれ思い出すんですけど、あれって何なんですかね。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。