あらすじ:自由と差別と偏見の国アメリカで熱血白人警察官と非白人詐欺師が大暴れ!
☆☆☆(星3つ)
ピクサーの「ファインディング・ドリー」、ユニバーサルの「ペット」、さらには人気ゲームの映画化「アングリーバード」、スタジオジブリの「レッドタートル ある島の物語」と魚、犬猫、鳥、亀…の動物アニメ映画大豊作イヤーである2016年。
そんな中でも天下のディズニーによるこの「ズートピア」は世界中でよく売れてるようで、平日の真っ昼間にも関わらず満席だった。ワーオ。
草食動物と肉食動物が仲良く暮らす街「ズートピア」で初のうさぎ警察官に任命されたジュディ(ジェニファー・グッドウィン)と、ケチなきつね詐欺師のニック(ジェイソン・ベイトマン)がズートピアで発生する不気味な失踪事件を追う、というお話。
さまざまな種類の動物が一緒に暮らす街=多様な人種が混在するアメリカ、そしてその中でまかり通る特定の種類の動物への偏見や差別はそのまま世界が抱える問題ということで、現代社会の縮図をわかりやすくアニメ化しているんだけど、とにかく会話や小ネタのひとつひとつにこれでもかとメッセージや皮肉が込められていてうっとおしい…
じゃなくて、えーと、すごく考えられて作られてるなぁと感心しちゃう。しちゃいます。ディズニーの自虐的なセルフパロディも多いんだけど、近年のディズニーアニメからは自社の歴史と伝統へのリスペクトと「それを乗り越えていこうぜ」という前向きな気概を感じる。
でもまぁ個人的にはあくまですごくクレバーな人たちが制作した現代的で良質な映画、と言うのが精一杯のところだ。
ボクのような者には表面的なおもしろさがなにより大事なんだ。
でも動物の暮らしに合わせた街づくりの設定を眺めてるだけでポップコーン2杯はイケちゃうくらい、表面も十分におもしろかったです、もちろん。
あとズートピアのツンドラタウン(寒冷地の動物たち向けエリア)でしろくまがマフィアみたいな組織で働いていて、もちろんこれも肉食動物=凶暴という決めつけによるもので大変嘆かわしいことなんだけど、それはそれとして「ズートピア2」ではぜひこのしろくまたちが難事件を暴力的に解決するお話を盛り込んでほしい。
難しいことはまぁこの際置いておいていいじゃないですか。
☆☆☆…インターネットには映画についての解説や深読みがあふれているので気になる人は確認してみるといいでしょう。ボクなんかは「うわっうるせっ」と思っちゃうんだけど…。
アメリカ産ミスジ(幻の牛肩肉)のビステッカ。雑食動物に生まれてよかったと思う瞬間である。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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