☆☆(星2つ)
全編にわたってハンディカメラの一般人目線で撮影され、モンスター映画の新たなページを開いた「クローバーフィールド」。
その監督であるJ・J・エイブラムスが「同じDNAを持つ」とかなんとか言ってお茶を濁しつつ世に放ったのがこの「10 クローバーフィールド・レーン」。
確かに映画のタイトルは入ってるけど、予告編を観るかぎりでは前作のモキュメンタリー的手法はなかったことになってるし、モンスターの姿もない。
主人公のミッシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は電話ですがりつく夫(ボーイフレンド?)を無視して夜道を走行中、車に突然なにかが激突。どこかの地下室で足を繋がれた状態で目覚める。そして部屋に入ってくる謎のおっさん(ジョン・グッドマン)。
「外がえらいことになってるから」の一点張りで全然解放してくれないおっさんとそこに住むもうひとりの若者(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活が始まる…。
…共同生活?モンスターは?
まぁまぁ待て。まだあわてるような時間じゃない。しばらくはこの三人の生活を見てみようじゃないか。
おっさんの名前はハワード、若者はエミット。どうやらハワードは昔から来たるべき終末の日のために財産を投じてこの地下室をシェルターに改造して備えていたようだ。そして念願叶って”なにか”が起きた。エミットはシェルターを設計した業者でここに逃げ込んできたみたいだ。
映画の中で終末思想の人物と同じ空間にいて明るい展開になる確率はものすごく低いと思うけど、ハワードは大丈夫かな…。
この映画はJ・Jのやつがモニョモニョ言ってるように「クローバーフィールド」の直接の続編ではない。
確かに関係は示唆されている。でも「クローバーフィールド」で分からなかったことは相変わらず謎のままだし、この世界になにがあったかもサッパリわからない。この謎のシェアハウス生活の果てになにが待っているんだろう。
新作映画のなかで大ヒット作の続編やスピンオフが占める割合が年々増している映画業界で、続編の在り方そのものに一石を投じる今作。
そこには「クローバーフィールド」と同じスピリッツが(形は違えど)確かに宿っているように思う。そのスピリッツに敬意を表してここでは多くを語りますまい。モンスターのことはね、もうこの際いいじゃないですか、ねっ。
☆☆…J・Jが「クローバーフィールド」に込めた「星2つ映画の魂」が確かに受け継がれているのがうれしい。観終わった後はラスト10分間の展開についてすぐに酒場で盛り上がること必至。喧嘩になるかもしれないけど…。
非常食マニアのボクとしては「シェルターに篭って延々生活するだけ」というこの映画のシチュエーションはまさに大好物。つい最近買い直したばかりの我が家の非常食も見てくれ〜。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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