一読即解!『中華一番!』

中華料理はお好きですか?
少なくとも私は好きですし、私自身、「中華」嫌いな男性に会ったことがない。
女性は、もしかしたら苦手な人もいるかもしれないけど、男の人はみんなチャーハンとか好きなイメージ。

一説によると、洋館に住み、日本人の妻の作る中華料理を食べることが男性の幸せの一つだそうな…

その知識自体、この作品に書いてあったことなんですけど。

小川悦司/講談社

『中華一番!』
(この画像は第2章『真・中華一番!』の1巻表紙です)

『中華一番!』で5巻、『真・中華一番!』で12巻。
15年以上昔の作品ではありますが、時々総集編のようなコンビニコミックでも見かけるので、手に入りやすいと思います。
アニメ化もしていたので、知っている方は多いのではないでしょうか。

料理漫画はたくさんありますが、そのうちの何割かは、何故か料理で闘うという世界な気がします。
この作品はまさにそれ。
最初はそうでもなかったような気がするけれど、第2章の『真・中華一番!』で完全に料理バトル漫画になります。
しかも結構イカツイ、顔や体が傷だらけのガタイめっちゃいい男の人がバンバン出てきて、でも拳は交えません。
絶対料理以外では相手を倒しません。(時々盗賊とかと戦ったりはするけど)
顔や体の傷も、料理修行でできたらしい。どんな修行だよ!

勿論、料理漫画で局地的によく見られる『恍惚描写』もあります。
口の中を蒼き風が吹き抜けたり、幸せの汗を滝のように流したり、香辛料で死んだ父親が怒ったりします。
何を言っているかわからないかもしれませんが、読んだことのある方なら一瞬でわかるシーンの数々。
特級厨師、裏料理界、伝説の厨具…そういう読者心をくすぐりまくるワードもいっぱい出てきます。

あと、出てくるキャラクターが全員魅力的なんですよね。
やっぱり、(漫画に限ったことではないですが)何度読んでも面白いとか、誰に進めても楽しんでもらえる作品って、そこが非常に大事な気がします。
みんなそれぞれにドラマがあって、誰一人として埋もれない。

ま~主人公は超スーパーすごい天才料理人なので、技術などを真似することは難しいですが、それでも時々普通に役立つ料理の知識が出てきます。
そういえば主人公の特技として、『一度食べたものの味は全て完璧に覚えている』『味から食材までさかのぼることができる』というものがありますが、そんなようなドラマがもうすぐ始まるような始まらないような…(決して番宣ではありません)。

第2章のバトル漫画状態の話も勿論大好きなのですが、第1章も結構面白いんですよね。
餃子大会行ってみてぇ~!
と、こんな風に、読んだら絶対に誰かと盛り上がりたくなる作品なので、時間があるときにでも是非ご覧になってください。


世界各国の料理が高水準で食べられる国に生まれて幸せだなあ。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。