☆☆☆(星3つ)
前作「~SKY MISSION」を、ダブル主演のポール・ウォーカーの死という悲劇を乗り越えてこれまでの集大成に仕上げた「ワイルド・スピード」待望の最新作。
「ICE BREAK」とは本来「緊張をほぐす」という意味で使われるそうだけど、この映画では文字通りアイスがブレイクする。それ以外の深読み要素は一切なし。実に潔い邦題だ。
前作で晴れて自由の身になり、レティ(ミシェル・ロドリゲス)とバカンスを満喫していたドム(ヴィン・ディーゼル)。しかしその後ホブス(ドウェイン・ジョンソン)の呼びかけで行われたミッションで突如ファミリーを裏切り、姿を消してしまう。そこには怪しいナオンの影が…。いったいどうしちまったんだよ、兄貴!
「ドムがファミリーから離反する」というストーリーからダークなノリになるかと思いきや登場人物たちのテンションは異様に高い。
ロック様も、いろいろあって共闘することになるジェイソン・ステイサムも前作までのキャラを崩壊させながら奮闘していて、ディーゼル、ロック様、ステイサムと主役級が3人揃ってさらに筋肉が肥大したファミリーの大騒ぎは見応えバッチリ。
とはいえ「いやステイサム、ファミリーの一人を殺してるやん!なにをしれっと仲間になっとんねん!」というツッコミはあるだろう。キャラの扱いに疑問を覚えるところもある。でも結局は製作サイドが細かいことよりもこの筋肉版「アベンジャーズ」の結成を優先したということなんだろうと思う。
そして今のところその試みは成功しているし、「エクスペンダブルズ」の続編が消滅した今、なにはなくともこのドリームチームの成り行きを見守りたい。
なにしろ散々殺しあった敵も次作では味方になるし、死んだと思われたキャラも平気で復活するシリーズなので…。
ここまで書いて「そういえば車のことを何も書いてないな」とふと気づいたんだけど、カーアクションにおいて「まだ誰もやってないことをやろう」「誰も観たことないものを観せよう」という意気込みはもはや狂気の域に達している。もしくはドラッグをキメて企画会議をやってるかのどっちかだ。もう無茶苦茶ですよ。
カーチェイスと言いながら相手は飛行機だったり、潜水艦だったりするけど、どれだけ荒唐無稽なシーンでも「車に乗ってればセーフ」の精神で乗り切ってきた「ワイスピ」シリーズ。
ラスト三部作もしかと見届けたい。こんなの次はもう宇宙行くしかないでしょ。
☆☆☆…あくまで「ワイスピ」基準でいうと星は3つくらいだけど、一般的には全然4つくらいイケる。イケますよね?ダメ?
先日から湘南エリアに引っ越したんですが、このあたりの人たちの精神性と「ワイスピ」シリーズはすごく合ってるように思える。なにしろ未だに夜中に集団で暴走してますからね。写真は全然関係ない海辺のカレー。
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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