タイトルは変わったけど内容は相変わらず『エイリアン:コヴェナント』

【あらすじ】
「プロメテウス号」のめちゃくちゃな騒動の末、生き残った博士とアンドロイドが人類とエイリアンの製造責任者である「エンジニア」の母星に殴り込んでから早10年。
移住計画のため宇宙船「コヴェナント号」に乗っていた懲りない人類は、道中で謎の信号をキャッチした途端にこれまでの計画をあっさり放棄して発信元の得体の知れない惑星へ向かう。
宇宙服もなしに未知の大地に飛び出すクルー、タバコをそのへんにポイ捨てする軍人、コンピュータの指示を無視して宇宙船を危険にさらす操縦士…
まともな教育を受けたとはとても思えないワイルドな行動を繰り返す人類を栄養に、すくすく育ったエイリアンからみんなたちは逃れられるのか…!

人類およびエイリアンの起源に迫る力作「プロメテウス」から5年…
前作はエイリアン絡みの作品ということを伏せて公開したため、「人類の起源知りたいよね~」と何も知らずに観に来たお客さんにいきなりエイリアンの洗礼を浴びせて一部では批判もあったみたいだけど、今回はポスターの時点で前面に出ていてうれしい。

前作から引き継いだ壮大な雰囲気をいちいちぶち壊していく人間たちの一挙手一投足がとにかく楽しい。
もちろん明らかに怪しい惑星に「行ってみようぜ!」と言い出すバカがいないと映画が始まらないので仕方ないんだけど、選択という選択をひたすら間違い続けていくコヴェナントご一行様のドタバタ劇は観客を全く飽きさせない。
無闇に単独行動をとる、どう見ても怪しい生物に不用意に近づく、無防備にシャワールームでイチャつく…テンプレ的問題行動で観客を呆れさせる人間たちを律儀に始末していく新型エイリアンの仕事ぶりももちろん存分に楽しめるんだけど、人間たちの行動が気になってイマイチ恐怖に集中できないのがつらい。
エイリアンは悪くない。あいつはがんばってた。でもボケが多すぎてツッコミが間に合ってない感は否めないのが致命的だ。

エイリアンに対する恐怖が勝つか人類に対する絶望が勝つかで評価が変わってきそうな一作。ぜひ映画館の暗闇でお楽しみください。


※今回のリニューアルに伴って奥さんにイラストを添えてもらうことになりました。毎回映画の世界観に無理やり入り込んでいく我が家のオリジナルキャラクター「くまやまくん」の活躍も併せてお楽しみください。

おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
https://twitter.com/odkysyk