強い、賢い、面倒くさいの3本柱すごい女性の映画特集

最近観た3本の映画がどれもおもしろく、かつ「すごい女性」が主人公という共通点もあったので、せっかくなのでまとめてご紹介したい。
「すごさ」のベクトルはどれも全く違うけど、それぞれパワーに満ち溢れた女性たちを屈指の女優さんが演じておられます。女性、マジハンパない。

『アトミック・ブロンド』
ポスターや予告編の感じからして今風のスタイリッシュな(鼻につくタイプの)アクション映画かと思いきや、これがガチのシバき合いがさく裂する近年稀に見る泥臭い映画だった。
そのへんにあるもので殴る、急所を何度も蹴る…「腕力で劣る女性が野郎どもと互角に戦うには」を突き詰めた、説得力の塊みたいな暴力シーンを延々映し続ける内容はスタイリッシュとは正反対で素晴らしい。
義足殺人マシーンから暗黒ファラオまで癖の強い役でブレイク中のソフィア・ブテラもシャーリーズ姉さん演じる敏腕エージェントの前ではすっかり普通の女の子になってしまう。

『女神の見えざる手』
ロビー活動が表沙汰になることが少ない日本ではピンとこないけど、アメリカでは3万人ものロビイストが日々数々の主張を通そうと暗躍しているそうで、今作のジェシカ・チャスティン演じる敏腕ロビイストの辣腕はまさに圧巻。
敵陣営どころか味方まで騙し、賺し、利用する姿はまさに現代のダークヒーロー。「銃規制のためのロビー活動」という(特に日本人には)取っつきにくい話題をわかりやすく整理し、最後には観客にガツンとカタルシスを与える快作。

『愛を綴る女」』
これまでの2作品と違ってマリオン・コティヤール様演じる主人公ガブリエルは特になにかすごい能力があるわけではないんだけど、気になる男子に猛烈アプローチしては顰蹙を買い、フラレれば奇行に走る、とにかく面倒な…じゃなくて情熱的なガブリエルの半生は観客を全く飽きさせない。既婚者に手を出して村八分にされようが、持て余した両親に好きでもない農夫と結婚させられようが、その人生を縛ることは誰にもできない。そこにシビれるッ憧れるゥッ!「静かそうな内容だし寝ちゃうかも…」という不安を吹き飛ばすパワフルな生き様に「自分の好きなように生きるが吉」という熱いメッセージを感じた。

おだかやすゆき
昼は会社員/夜も会社員/座右の銘は「狼は生きろ、豚も生きろ」
つらい仕事の合間に楽しい映画を観て感想を書きます。
好きな映画は「人間はガンガン死ぬけど動物と子どもは絶対に助かる」映画。
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