環境が人を育てる?『バカ姉弟』

少しずつ春になってきましたね。
今年は例年より開花が早いそうです。
色んな入学式の頃にはすっかり散ってしまった、ということにはならないといいなあと思いますが…

春は、やはり年度の切り替わりというのもあり、自分の意志と関係なく変化せざるを得ないような目まぐるしい季節。
そんなときは現実逃避するしかない。

安達哲/講談社

『バカ姉弟』

巣鴨に住む二人の幼い姉弟。
忙しい両親はほとんど家におらず(本当に心配になるくらいいない。放置レベルが桁違い。アメリカだったら20回逮捕されてる)、きままに暮らす彼らとそんな彼らを放っておけない周りの大人のお話。
既刊5巻で、完結したかと思われていましたがこのたび連載再開しています。
何故この作品が現実逃避かというと、いい意味で変化がないからです。季節は廻りますが。

この作品に関しては、どうのこうの書くより、とにかく読んでいただきたい!
本当にかわいいんですよこの二人が…
作中でもこの二人はとにかくどろどろに可愛がられており、時には触るとご利益があるやら見ると幸せになれるやら、ほぼ神様扱いされています。
ご利益のくだりはちょっとわからないけど、確かにかわいい。
かわいいと言っても、美貌として優れているというよりは、ゆるキャラの方のかわいいという意味合いです。
というかこの二人こそゆるキャラの元祖なんじゃないでしょうか。言いすぎました。

彼らの近所に住む大人(大半はお年寄り)が彼らの生活を温かく見守っているんですけども、ああ自分もこんなことあったかもしれないと思える。
ここまで介入はないけれど、小さいころって散歩してると『あらあらおでかけかしら?』とか、そういうのありましたよね。
今思えば、あれって子供にとっては学校より早い社会への遭遇なんだなあ。

とにかく読んでください。
が、同じ作者の前作はこれとは全くトーンが違うので、この作品が素晴らしいからとウッカリ手に取るとびっくりします。それだけご注意ください。


こういう陰から姉弟が出てきたら相当かわいいなあ。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。