可愛いパンドラの匣?『バディドッグ』

細野不二彦先生の作品がどれも大好きなんですが、『電波の城』と『ダブル・フェイス』を同時に追いかけてた時はなんだか大変でした。
細野先生と言えば多作で知られ、今のキャリアをもってしてもなお、複数同時進行されていることが多くあります。というか今まさにそう。調べたら4作品同時っぽい…!?ヒョゲー!
(しかも今、なんと33年ぶりに『さすがの猿飛G』として連載もある模様…!スキトキメトキス!)
さすがに全部を追い切れず、しかし本屋さんで見つけると必ず読みたい、読まずにおられない。
そんな偉大な先生の最新作の一つ。


『バディドッグ』

アメリカのすごい機関から逃げ出した超人工知能がペットロボットに乗り移り、平凡な一家にやってきたぞ!

先日2巻が発売されました。
1巻では超人工知能がとある一家にやってきて、はたまたそれを追うアメリカ国防省的なところも出てきて、すわこれはまた壮大な、陰謀に関わる系のお話なのか…!?とドキドキしていたのですが、2巻ではいい意味で裏切られました。
バド、なんかちょっとかわいい!
もちろん外見はあのア○ボのように、愛玩ロボット犬ですから、もちろん可愛さはあるんですよ。でもバドが超人工知能で老獪な人物っぽいので、怪しさがすごいんです。
その彼(?)と彼を逃がした謎の組織との関係やアメリカとの攻防の様子、それに巻き込まれるサラリーマンの模様が1巻でずざーっと描かれているので、これはまたそういう系の作品なのかしら…?とドキドキしていたんです。
でも、2巻!なんかかわいい!踊ったりするし!時々目がハートマークとかニコニコになったりするし!
しかも、将棋を覚え始めてますよ。この犬。実際の駒はさせないけど、オンライン将棋激強!

このギリギリのポップさが最高に楽しい。それになんだかちょっとだけリアリティがある。
今は某巨大企業が個人情報をサーチしているとか、趣味嗜好が検索結果ですぐ出ちゃうとか、AIが人類を超越するまであと○年だとか、色々おっかない世の中ですが、少なくとも今この超AIが進もうとしている気配の方向に現実世界のAIも進んでくれるなら、きっと楽しそう。

2巻が自分の想像とは(いい意味で)大きくずれたので、こりゃ3巻も楽しみです!
スマホやSNSの氾濫にちょっと疲れた方も、そうじゃない方も、是非。


来年は2018年ですって。完全に未来じゃん。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。