『自分が持っているものを活かしたい』

お芝居に目覚めたきっかけを教えてください。

特にこの時!ということではなく、気づいたらいつの間にか、ですね。楽しいなと思えるようになってきたのは最近です。
最初は何をやっていいのか、何をやっているのかわからず、お芝居をどうしたいというよりは自分がもらった役のことをひたすら考えて一喜一憂していました。ある意味では憑依しすぎちゃってたのかもしれません。役を客観的に見れてなくて、好きとか嫌いとか全然わかりませんでした。
作品ごとに沢山の監督と出会えたことが、自分にとってとても大きいです。まだまだ自分のお芝居をフラットな気持ちで見られないけど、少しずつ役に寄り添えるようになってきたかな。

やり甲斐があるのはどういう役ですか。

自分が持っているもの・自分の中にあるものを活かせる役だと、やり甲斐がありますね。
ギター弾いたり歌を歌ったり、水彩画を描いたり、かなり多趣味なので、割とどんな役をもらっても寄り添いやすいと思います。
例外もあって、顔がハッキリしてるからなのかヤンキーの役をいただくことも多いんですが、そこだけはちょっとすぐには入り込めないです。まずヤンキー研究からしないと(笑)。
基本的にはどんな役でも、自分の環境や育ってきた境遇、人間くさい部分を活かせる役だと楽しいです。

『自分を見つけてもらえたら嬉しくなる』

演技する時に気をつけていることはありますか。

お芝居をする上では、あまり色んなことを意識しないようにしてます。
明るい役と、自分の精神を削るようなしんどい役をちょうど交互にもらっているんですが、特に後者の時は出し切らないと嘘になるなと思います。でも出し切ると今度は消耗したりインプットが足らなくなるから、常に本を読んだり映画を見たりして、勉強と意識せず色々吸収するようにしています。

魅力的でいるために意識していることはありますか?

自分のことをよく考えるようにしています。強いところも弱いところもはっきりと言える人間でありたい。でもそれは常に変化していくことだから、頑なにならずにいたいです。
文章も服も、自由。捉われることなく、出会った人やものに素直に感化されています。

今後やってみたいことを教えてください。

私、2回目の監督から真逆な役をもらうことが多いんです。現場で監督に「エライザってこっちの面もあるんだ」って気づいてもらえるのはいいことだなと思っています。本当の自分がバレた!(笑)と嬉しくなります。
どんな役をもらっても、『池田エライザに頼んでよかった』と思ってもらえたらそれだけで嬉しいので、何でもやりたいし、フラットにいたいです。

『ゆっくり呼吸を整えてもらえたら』

映画『トリガール!』で和美を演じるときに意識したことを教えてください。

ゆきなを支えながら、坂場に抱く気持ちをどこまで表現するのかを意識しました。
ゆきなたちがパワフルに引っ張っていくスピーディな展開が多いので、和美の登場時くらいは(笑)、ゆっくり呼吸をしながら観てもらえたら嬉しいです。

グッと来たシーンはどこですか?

鳥人間コンテストのシーンは勿論ですが、みんなとあの部室にいるだけで、とてもグッときました。
今回は広報担当役だったので、実際に写真を撮りながら演じることも多かったのですが、カメラを覗きながらみんなが真剣に準備しているその姿はとても素敵でした!思わずウルっときてしまいました。

英監督の印象を教えてください。

英監督は映画「高校デビュー」ぶりにご一緒させていただきました。とってもアイデアマンで、おもちゃ箱みたいな方なんです。現場にいて、次は何を言われるだろう、どんなことを考えてるんだろう?とワクワクしました。
私自身もとぼけたところがあるので、監督から『和美は(エライザの)素のまんまでいいよ!』なんて言われました(笑)。なので割と地の自分のままで現場にいたんですけど、新鮮でとても面白かったです。周りの役者さんがどういう風にぶつかってくるのかとか、次のシーンで何が起こるかわからないドキドキとか。みんなでゲラゲラ笑いながら、本気で向き合ってクリエイティブに作りました。
監督自身が笑っちゃってNGになるシーンもあるくらい、楽しい現場でした。

『隠しきれない気持ち』

エライザさんがもしあのチームに参加したらやってみたい部署はどこですか?

やっぱり広報です!
元々カメラが好きだし、普段も人を撮ります。今回も撮っていてとても楽しかったです。伝えることも大好きだから、自分が広報になって、色んな人にその魅力を伝えたいです。
私はゆきなみたいに主観でグイグイ行けないタイプなので(笑)、いつも和美と似たポジションにいるんです。その心地よさは共感できますね。

エライザさんの思う、和美の可愛さはどこですか。

隠しきれてないところ!広報部だし、基本的には一歩引いた位置にいるけれど、時々隠しきれない気持ちが出ちゃうんです。
ゆきなも坂場も高橋も、みんな鈍感ですよね!?でもそれが愛おしくて可愛らしい。和美も隠しきれなくて想いを漏らしそうになるけど、やっぱり恥ずかしくなってごまかしちゃう。人間くさくてとても素敵。
それにしても鈍感ですけどね…みんなの矢印が全部一方通行。飛行機が飛ぶことが一番なんです。

改めて映画『トリガール!』の見どころを教えてください。

この作品は、とても躍動感があって、観た人の心の奥をかき立ててくれるような作品です。どのキャラクターに感情移入するかで見方が変わりますし、それがどのキャラクターなのかは観てもらってのお楽しみになります。
登場人物1人ずつの苦悩の先に鳥人間コンテストがあって、飛行機が出来上がっていく様子、誰かが悩む様子に毎回胸を躍らせてもらえたら嬉しいな。
卑屈になることなく真っ直ぐに楽しんでもらえる作品だと思うので、是非リラックスして映画館で笑ってもらえたら幸せです。

池田エライザ プロフィール
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。モデル・女優。
2017年は8月から放送MBS/TBSドラマ『伊藤くんAtoE』レギュラー出演、9月1日公開映画『トリガール!』、秋公開映画『一礼して、キス』出演を控える。
現在は映画、ドラマ、CMと活動の場を広げている。


映画『トリガール!』http://torigirl-movie.com/
毒舌&変顔&言いたい放題の最強ヒロイン“鳥山ゆきな”!
一目惚れした優しいイケメン先輩と二人で空を飛ぶ夏のはずが、大嫌いなヤンキー先輩と空を飛ぶ最悪の夏に!!
最高の自分と出会う、最高にドキドキの夏が来る!!
出演:土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙、池田エライザ、ナダル、矢本悠馬 ほか
監督:英勉(『ハンサム★スーツ』『高校デビュー』『ヒロイン失格』ほか) 
原作:中村航(「100回泣くこと」「デビクロくんの恋と魔法」ほか)

撮影:大村祐里子