Aマッソ DVD『ネタやらかし』発売記念インタビュー
Aマッソさんのネタは、いわゆる“女性芸人ぽさ”のようなものがない印象があります。
加納 女芸人っぽいネタができない、というのが大きいです。
村上 女性のあるあるネタを知らないんです。
加納 武器として使えてない感じはありますね。女芸人を活かせたら強いんだろうなと思いますが、自分たちの選択肢に浮かんでこない。仮にやったとしても、そこが得意な方々には絶対に勝てないです。
村上 一般投票とかは、女性票の獲得が中々シビアです。媚びてる訳やないけど、そこに向けてやってる訳と違うし。
加納 難しいよな。票もらえるのは本当にありがたいんですけど、自分が客やったら自分らに入れるか?となると正直別問題やし(笑)。
村上 自分が女性であることに葛藤とかは全然ないです。そんなこと言っても女やもんな〜って感じ。
加納 Aマッソとしては他に大事なことがまだあるなと思ってます。女芸人としてみたいなのも勿論大事やけど、そこばっか考えててもしゃーないなと。
村上 他の女芸人さんたちのこと、めっちゃ好きですしね。おもろい。うちらにはできんけど。
ネタはどういう風に作っているんですか?
加納 ネタは私が作っています。ファミレスとか喫茶店で作って、村上に渡します。
村上 昔は一緒に(喫茶店に)行ってたよな…?いつの間に呼ばれんくなったんや?
加納 必要ないから。一人で書けるし。
村上 あっ!分業制です!役割分担やな。
加納 うちらのネタって決まった型がないんです。このDVDに収録されているような(漫才の)形になったのも最近なんです。それまではツッコミで笑いを取るということをあまりやってこなかったので。本当は何でもやりたいんですけど、歓迎ムードではないというか。
村上 最近はツッコミやと認識されてるよね。
加納 そうなんです、ツッコミで上手いこと言う人みたいな感じになってる。本来自分でやりたい方向そのものではないんですけど、売れてる方々でスタイル決めずにやってる方なんておらんから、ある程度決めてかなアカンなと。そこが最近の悩み。自分ではこれと決めずにおもろいこと全部やりたいんですけどね。世間にお伺い立てたい(笑)。
村上 「こっちやったらアカン?」って。
加納 やってない型を探し続けてるんですよね。Wボケにしても、オーソドックスなボケツッコミの漫才にしても。
村上 毎回新しいことになるんで、不思議ですわ。ウチには考えられへん。新ネタ渡されるたびに入学式。そのくらい新鮮な気持ちでやってます。
単独ライブやDVDのタイトルはどうやって決まったんですか?
加納 単独ライブのタイトル「買ったらお縄!ホンチャン・ヤルデ株」は、オープニングの歌になるようなものにしたくて…、それで何やったっけ?
村上 うち(その場に)おらんかったわ。確かにどれも「なんやねん?」っていう感じのタイトルや。
加納 買っただけで捕まる株っておもろいなってことで。その上で、株の名前が逆にめっちゃやる気ある感じの名前にしようってことやったと思います。タイトルはいつも作家さんとかなり考えて絞り出します。良い方に進むように落とし所見つける作業なんで、毎回悩みますね。良いかどうかはその時はわからないし、疲れてくると何でもおもろなるし。
村上 なんでうち呼んでくれへんの?
加納 ほんまやね。何で呼ばんかったんやろ。長くなるからかな?(笑)
村上 独特な単語はどこから生まれてきてるの?子宮?
加納 なんでや!脳や!基本的には色んなところからの複合ですかね。特に何かを軸にってことはないです。小説をよく読むので、ヒントになってることは多いかも。
お二人は小学校からの幼馴染で今も一緒に住んでらっしゃると思うのですが、お互いに飽きたりしませんか?
加納 飽きるほどトレンドに来たことがないからなあ。
村上 ええっ!?
加納 (村上が)自分の流行りに浮上して来たことがないから、結果飽きることもなく(笑)。
村上 ウチむちゃくちゃ味あるのに!辛いのから甘いのから。
加納 仲が悪い訳じゃないですよ。むしろ仲が良すぎて、仕事の相方としての切り替えができてない方かも。舞台上でもお互いしか笑ってない時とかありますもん。
村上 ほんまやな〜。
加納 DVD収録の映像の空気は普段の感じに近いかもしれません。さすがに踊ったりはしないですけど、基本はふざけてる。本当は『普段クールです』といいたいところですけどね。喧嘩もしないし…
村上 喧嘩したらどっちが勝つと思いますか?生物として!
加納 ちなみに私は最近ジョギング行ってますからね。たまにですけど。
最終的には村上さんが勝ちそうなイメージです。
加納 正解ですね!この人50mめっちゃ早いんですわ。
村上 多分、うちはセコ技で倒すと思います(笑)。
ご自身たちの魅力って何だと思いますか?
村上 おもしろい。
加納 今と違うやろ!ボリュームも小さいし。SEか。うちらはまだ色々手放してないというか、あれもこれもやろうとしてますね。コントも漫才も両方やるんで。コントはまだ結果がついてきてないんですけど。
村上 日によりますね!漫才したい日とコントしたい日があるんです。不安定でしょ〜!(笑)
加納 こればっかりはね。女性ホルモンのせいやな。
お笑い界での今後の野望を教えてください。
加納 冠番組をやりたいです!あとはメディアミックスで色々やってみたいですね。映像とラジオを組み合わせて何ができるかなとか考えてます。
村上 ウチは、一攫千金!
加納 そのままやな!
村上 野望やもん。
加納 さっきからこの人(村上)のこういう感じ、ボケやと思うでしょ?これマジですからね。一回ちゃんと検査した方がええで。
村上 よく言われる…。ボケいらないですって言われる。うちは普通に喋ってるんやけど。
加納 たまらんでしょ!?だからネタにもこの感じを入れざるを得ないですよ。
村上 全部本気の発言です!ふざけてないです!
加納 怒ってるやん!なんでやねん。
村上 あとは、説得力が欲しいから背も高くならへんかな。今世の中で流行ってるものとか色んなものが、全部逆転したら面白いなと思ってます。
加納 元々がお笑いオタクではないので、勉強し続けないとダメやなと思いますね。自分らが新しいことやるには、他の人がやってる新しいことも勉強せんと、知らん間に同じことしてたらダメなんで。新しさに関しては謙虚にいきたいです。
Aマッソ 『ネタやらかし』
Wボケ、Wツコッミ、何でもござれ!Aマッソ初のDVD!
匠なワードチョイスと、どぎつい関西弁を駆使して、身の回りにある出来事を独自の目線で切り取る。
今作はAマッソ単独ライブ「買ったらお縄!ホンチャン・ヤルデ株」の模様をDVD用に再現。
収録内容
①「富松」/(オープニング)/②「ナインセカンド」/(運動会)/③「マサ」/(日曜の昼下がり)
④「漫才①」/(避暑地へGO)/⑤「制裁」/(初産)/⑥「進路相談」/(お見舞い)/⑦「漫才②」
※()は映像ネタ
2017年6月21日発売/本編74分
Aマッソ
加納(右)1989年2月21日生まれ、大阪府出身。B型。
村上(左)1988年6月16日生まれ、大阪府出身。AB型。
漫才もコントも大喜利もこなす。250組が参加した『爆笑ファクトリーハウス』(2015年放送、BSプレミアム)で最終決戦の2組に残り話題に。2016年の『M-1グランプリ』では準決勝まで残った。
Aマッソ初の冠番組、静岡朝日テレビSunSetTV で「ゲラニチョビ」絶賛配信中!
撮影:大村祐里子