ここまできたか『17歳の塔』

ここ数年、“スクールカースト”という単語が流行っています。
その流行りもここに極まれりといいますか、ああついにここまでやってしまうかと。
そういう作品です。

藤沢もやし/講談社
『17歳の塔』

誰もが振り向く主人公が、ある日友達?だったはずの冴えない女の子の一言で状況がどんどん悪化していき…というお話。
こういうのって、他人事として見るだけだけどちょっとしんどくなりますね。特に女性はそうなんじゃないでしょうか。でも男性の嫉妬も怖いからなあ。あんまり性別は関係ないですね。

スクールカースト。
現象が先なのか単語が先なのかわからないけど、とにかく昔からあった『学校生活における暗黙の階級社会のようなもの』に名前が付いたことで、一気に実体を持つようになった。
俗に言う、イケてる人たち=1軍、それ以下のイケてない人たちがイケてない順に下層にいくという。
倫理的には、そういう順位付けなんてけしからん、もっと仲良く平等にあれ、と言われて当然の現象なんですが、これはもうそういうことじゃないんですよねえ。

とはいえ、よく考えたら、自分は高校時代は最早このカーストランクの中にすらいなかったというか、入れてももらえなかったというか、まあいいかどこにも入れないならこのままで、と生きていたので、この大変さはあんまりわからなかったりします。
でもそれで困ったことはないし、社会に出たら結構どうでもよくなる…はずです。環境によりけりですが(考えたくないけどこういうのが根強く残る会社とかもありそうな気もするので)。

もし、ハブにされたり、友達がいないという状況がつらくなったら、主人公のように負けまいと立ち向かうもいいし、そういう変な順位をつけなければいけない空気から逃げ出すというのもありです。逃げてもいいんですよ。マイケル・ジャクソンもそう言ってますしね。

先日出た2巻で完結したので、是非手に取ってご覧ください。
あんまり気軽に読んで楽しめますよ~という作品じゃないですけど、結末は割とさわやか…なはず!


また学園ものを選んでしまった。どうなってるんだ。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。