温めて生きていく『やれたかも委員会』

七夕です。
織姫と彦星が会えるんでしたっけ?
結局それ以外の情報がいまいち吸収されず、何の日なのかよくわからないまま、いい大人になろうとしています。
1年に1度しか会えなくても愛し続けるって凄すぎる大恋愛ですよね。
大恋愛の経験は多分ないけど、可能性は無限にあったのかもしれない。

吉田 貴司/双葉社
『やれたかも委員会①』

やれたかもしれない過去、いけたかもしれないあの子、そんな思い出を語る人たち。
そしてその思い出に「やれた」「やれたとはいえない」でジャッジする3人。

去年の今頃SNSで話題になった作品なので、ご存知の方も多いでしょう。
知らない方は、四の五の言わずにとにかく1話をご覧ください。

どうですか?最高じゃないですか?
それぞれの“やれたかもエピソード”もさることながら、この審査員3人がまた素晴らしい。
塾長の包容力ったらない。コメントも深い(気がする)。
しかし塾長もミュージシャンも男だからなのか判定は甘く、唯一の女性メンバーの判定は厳しすぎる気もする。そんなところもたまらなく面白い!
語られるエピソードで甘酸っぱい気持ちになり、その後の判定シーンではニヤリとし、最高の気持ちの持っていかれようです。あー楽しい。漫画とは楽しいものだ!

ちなみに今回は単行本刊行記念として作家・保坂和志氏との対談もあって、それもまた首がもげるほど頷けます。
そうなんですよね、結局こういう「かも」が楽しいのは否めないんですよね。
何ならすべての人生のイベントは準備やら結果が出る瞬間までが緊張のマックスな気がします。受験しかり、就職活動しかり、仕事しかり。

Webで連載され、単行本化するまでにクラウドファンディングなども経た一冊。わたくしもバッチリ参加しました。
書店でも普通に売っていますし、なんなら新刊コーナーにズラっと並んでいます。
買えたかも委員会にならないように、今すぐ書店に走るべきです。


夏ですし若者にはどんどんやれたかもエピソードを作っていただきたいですね。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。