もう買えない(かも、な)漫画の話をしよう『VIVO!』

クセというかかつての職業病とでも言いましょうか、“実写化しそうな漫画を買ってしまう病”というものがあるとしたら、確実に罹患しているんですよね、私。
そんな中でも、「きっと実写化したら面白いだろうけど下手に実写化して欲しくない作品」というのは確実にある。
(なお、実写化の善悪は今回の議題ではありません。そこじゃないんです)


『VIVO!』

嫌々教師になってしまった男・仲村渠豊寛(なかんだかり・とよひろ):通称ナカムラ先生と、ある意味ゆかいな(というかぶっちゃけちょっと面倒な)生徒たちの日々。

ナカムラ先生は教師になんかなりたくなかったけど賭けに負けて超・渋々引き受けたので、基本的に自分が楽をできることが最優先。
生徒の進路や成績なんか全く興味ありません。自分の人生自分で考えろ。ってなもんで。
そういう所謂“普通の”悩みを受け付けない代わりに、“普通じゃない”状態も受け付けない。全て受け付けない。受け付けないけど否定もしない。この俺様が迷惑じゃないならお前の好きにしろ、それが彼のモットーな訳です。
そうなると、何故だか自然とちょっとだけ普通じゃない子達が集まって来てしまった。なんやかんや不登校気味になってしまった女子、巻き込まれたTHE・フツーの男子、才能がありすぎるが故に何をしても何をしなくてもオールオッケーな絵画男子、バレー部のエースだった子…などなど。
これだけよくもまあ集まったなというか、まあ勝手に集まってきたり集めてきたり理由は様々ですが、彼らはお互い干渉しすぎることなく、助け合わないこともなく、粛々と(?)学校生活を過ごしていきます。

自分だったらここに入りたかったのか、とか、こういうところがあったらよかったのに、とか、そういうことではないんですけど、でもこういうところはあってもいいんじゃないかときっぱり言いたい。そんな大人に私はなりたい。
ただ、ここに逃げたら安心というわけでも、誰かが救ってくれるわけでもないので、実は自己責任の能力や自分での治癒力が何よりも大切だったりするのですね。
助けてくれるわけじゃないけど、そこにいても否定されないでいることができる場所があるって素晴らしくないですか?
全てを受け入れてほしいとか理解してほしいとか助けてほしいとか言ってない。でも否定もされたくない。それが許される場所。
ま、モラトリアムでしょそれこそ、と言われてしまえば、そうなのかもしれないですけど。いやですねー。

これこそ、ドラマ化しやすいと思うんですけどね~。エピソードやエッセンスが割といっぱいあるから、映画にするにはちょっと厳しいかもですけど。
基本的に部室しか出てこないし(セットでOK)、教室や廊下的なシーンなんて1日2日で撮りためていけそう。途中ロケの話があるけど、たまにはそういうのもないとね。それに全体的な比率で言えば全然大した量ではない。はずです。
キャストだって主要キャラがそれぞれ立ってるけどそんなに人数はいないし、でも学園ものだから各話ゲスト主役みたいなのも作れる。ていうかいる。
どうですか?どうですか!?
ただしこの作品、おそらく今は書店では中々見つからないと思うので、原作コミック3巻全てお貸ししますから、その代わりキャスティング会議に混ぜてほしいです。
なんてね。


そんな稀有な方、いらっしゃるかはわかりませんが、気長にご連絡お待ちしております。

やまなか(仮)
貯蓄もないのに漫画をジャケ買いしては一喜一憂しているどうしようもない人間。
狭く浅く生きています。